建設業や建築現場におけるDXとは?課題やメリット・成功事例もご紹介!

建設業の現状とは〜建設業が今置かれている課題〜

1つ目は「後継者(人材)不足」です。

建設業は技術職や技能職という専門的な技術が必要なため、すぐに人材を確保できるわけではありません。特に事業継承と呼ばれる会社の経営を任せる後継者がいないことが建設業で課題とされています。この背景としては、日本国内全体で高齢化が進んでいることをテレビやニュースで観たことがある方も多いと思いますが、建設業では高齢化の進むスピードが早く、若年層の人材が不足しています。通常の事業継承は現在の経営者の親族、もしくは会社の従業員などの中から後継者を見つけることが多いです。

しかし、若年層が不足していることから、次の世代の経営を任せられる後継者がいないため、建設業の事業継承が課題となっているのです。そのため、最近はM&Aと呼ばれる、自社を外部の会社に売却する方法で事業継承という形をとることが増えつつあります。

2つ目は「働き方改革」です。

建設業の大企業には2019年4月、大企業以外の中小企業には2020年4月から2024年4月までに時間外労働の上限規制の対応が求められました。

こちらの規制内容については、特別な事業がある場合を除いて上限規制の時間は1ヶ月で45時間、1年間で年360時間の時間外労働に収めるという内容です。厚生労働省が実施している毎月勤労統計調査では、建設業は平均総実務労働時間が全業種よりも多い結果となっています。

しかし、建設業では「現在の働き方で時間外の労働時間を減らすのは難しい」「人手不足だから休みたいけれど休める環境ではない」などの現場の声が多く挙がっています。

3つ目は「業務の効率化」です。

1つ目と2つ目の課題が関係し合っていることは明確ですが、具体的な動きとしてはいまだに対応が難しい企業は多いです。人手不足で業務量や労働時間を分配するのが難しいのであれば、一人あたりの生産性を向上させるために業務効率化を考える必要性があります。

しかし、建設業では簡単に業務効率化を進めることが難しいです。それは現場がデジタル化の導入に抵抗がある、他業種では最近導入する企業が増えているリモートワークが業務内容的にできないなどの理由が挙げられます。建設業のデジタル化が遅れている原因として、そもそもアナログで対応しなければならない業務が多いことや従来のやり方を変更することができない暦の長い社員が多いことが理由です。

高齢者になればなるほどスマートフォンや最新家電の使い方に慣れるまで時間がかかることと同じように、建設業でも最新ITツールやシステム導入に抵抗のある人材が多いでしょう。このような場合は、最新ツールなどの導入に抵抗のない若年層の人材が働きかけることで現場に浸透することが多いですが、上記で述べた通り、若年層の人材不足は課題となっています。

建設業界や建築現場のDXとは?

DXとはデジタルトランスフォーメーションの略称で「データやデジタル技術などのテクノロジーを活用しビジネスモデル変革させる」ことです。

例えば、これまでの営業データを分析してマーケティング活動を変化させる、直接コミュニケーションが発生する業務をデジタル技術を導入し対応時間を短縮するなどがあります。建設業界や建築現場のDXでは、建設業が今置かれている課題で述べたような「人手不足」や「業務の効率化」の課題を解消し、「働き方改革」の実現に近づくことが求められています。

建設業界にDXはなぜ必要?今建設DXが注目を集めているわけとは

今建設DXが注目を集めているわけとは、2019年頃から世界的なパンデミックを起こした新型コロナウイルスの感染拡大が背景にあります。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、人との接触を最大限に減少させるために全ての業界でビジネスのオンライン化が進められました。

例えば、テレワークの導入やZoomを活用したオンライン会議などが挙げられます。

しかし、建設業では現場での作業が中心になるため、業務をオンラインにシフトすることが難しく、業務のオンライン化に成功したとしてもこれまで通りのスケジュールで進行し成果を上げることができるのかなどが問題視されています。建設業の現状の課題が深刻であることや業務のオンライン化に対するハードルが高いため、建設DXは注目を集めています。

建設業界のDXのメリットを解説!どんな課題が解決される?

建築DXを進めることで業務の効率化や人手不足を解消できることはもちろんですが、専門技術の継承や現場での危険な作業を回避できることがメリットとしてあります。

上記で述べた通り、建設業は高齢化が深刻で若年層の人材が少ないため、現在はいくら高度な技術を保有しているとはいえ、その人材が引退してしまうとその技術を伝承できなくなります。この課題を解決するために、デジタル技術を応用することで職人の知識や動きなどの技術を分析し、その技術を伝承させることができます。

また、建設業では労働災害の件数が非常に多いです。この労働災害を減らすことで従業員の現場での危険な作業を回避できることはメリットとして挙げられます。最近では、高所や不安定な現場での作業にドローンを用いることで、従業員の安全性を確保したうえで作業ができる環境を整えている企業もあります。

建築DXに必須なデジタル技術とは?どのような活用が可能?

建築DXに必須なデジタル技術とその活用方法をご紹介します。

AI(人工知能)

建設現場でのAI(人工知能)を活用することで、熟練者技術の伝承やデータ・画像解析ができます。従来の人が関わる業務を自動化し、生産性や安全性を高めるためにAI(人工知能)が大きな役割を果たします。

ICTを活用したドローンや映像技術

ICTとは、人とインターネットを繋げるデジタル技術のことを意味します。ICTを活用したドローンや高度な映像技術からデータを取得し、遠隔操作や新たな技術開発に役立たせます。

3次元モデルデータ

ITツールを用いて作成された立体的なモデルデータのことを意味します。3次元モデルデータを活用することで、2次元よりも詳細な部分まで共有でき、3Dデータの幅を広く活用できます。

建設業界のDXへの取り組みの流れや成功のポイントを解説!

建設業界がDXに取り組むためには、次のような大きく3つのステップを踏む必要性があります。

手順1.目的決定と戦略策定

なぜ建設DXを進める必要があるのか、どのような状態になればDXが成功したかの判断基準などを決める必要性があります。

目的や戦略を決めていなければ、DX推進をしたという事実だけが残り、実際にどのような目的が達成されたのか、どのような課題を解決できたのかという成果を測ることができません。さらに建設DXは会社全体で取り組む必要があるため、まずは経営層の理解や承認を得ることがポイントです。

手順2.DX導入体制の構築

DX導入体制の構築では、具体的にDXに詳しい人材の確保や推進部署・チームを発足させます。DX導入は大規模な作業に取り掛かることが多いため、DX推進以外の業務と兼務しながら進めることは難しいです。デジタル技術やデータ活用の知見のある人材を確保するだけではなく、社内で育てることも視野に入れることがポイントです。

手順3.社内理解の浸透と効果測定

建設DXを進めるには、専門部署だけでなく、全ての従業員が効果的に活用し、それがどのくらいの成果を上げているのか効果を測る必要があります。従業員が活用できていない場合はどこに原因があるのか、従来のやり方よりも成果が挙げられていないのがなぜかなどの結果を測定していかなくてはなりません。

建設業界のDXの成功事例をご紹介!

今回ご紹介する建設DXの成功事例は「清水建設株式会社」です。

清水建設株式会社は、経済産業省が定める「DX 認定企業」に選定されるほどDXを推進しています。具体的には、RPA(Robotic Process Automation)を導入し間接業務を15%削減、現場の映像やデータを映し出し遠隔操作の実施、現実の空間を仮想空間に再現する都市や建物のデジタルツインなどを実現しました。このようにデジタル技術やデータを活用することで、業務の効率化を急速に進めることができ、ロボットやAIが人手不足の課題を解消できます。

本記事では、建設業や建築現場におけるDXについて解説しました。

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