この度、株式会社cartから栄養学の視点で貧血問題にアプローチする、全く新しいサプリメント「Revol(リボル)」が誕生。そのビジュアルやコピーといったブランディング全般を、エードット子会社の株式会社カラスが担当させていただいきました。
今回のエードットジャーナルでは、株式会社cartのCOO 越智幸三さんと、デザイナー 田中真紀さんをお呼びし、株式会社カラス代表の牧野とともに、「Revol」誕生までのストーリーはもちろん、多くの日本人女性が悩んでいる健康問題や「クリエイティブ」が担う役割などについて語っていただきました。
女性の「貧血問題」を「栄養」でなおす
牧野:cart初のプロダクトとして「女性のためのサプリ」を選ばれたのはなぜですか?
越智: 世界中のナチュラルオーガニック商品を買えるECの『ナチュラカート』の運営や 、キャリアの中で女性向けのシャンプーや食品、サービスを提供してきた経験から、日本の働く女性は、本当に疲れていて、色々とチャレンジする気力を失っている方が多い、という問題意識を持っていました。ハードワーキングの女性が20代後半に急に体調を崩し、「疲れて週末に遊びに行けない」「社内でチャレンジしたくてもパワーが出ない」など、病気ではないけれど具合が悪い状態になっていることが多く見られます。
牧野:社員の中にも、慢性的に体調を崩している女性がいたりするので…そういうのを見てると僕としてもちょっと心配になりますね。
越智:体調を崩すことで、メンタルまで崩してしまう人もいるんです。そういった人たちに向けて「栄養学の観点からサポートできる!」と思い、サプリメントをつくることを決めました。
本来のサプリメントは、忙しい人でも食事で足りない栄養素を簡単に補給できる素晴らしいツールだと思っています。なのに、日本では余計な成分をたくさん入れた商品や、不安を煽るような売り方が当たり前になっている、広告優位のマーケットなので、その商習慣を根底から覆すようなブランドや商品を作ることで、 体調不良で悩む女性たちが抱える問題を解決していけるんじゃないかな、と思ったんです。
牧野:その中でも「貧血」を選んだのには何か理由があるんですか?
越智:栄養学のエキスパートに相談する中で、実は日本女性の約半数が「貧血」もしくは「隠れ貧血」であること、貧血の症状が女性の不調の症状と一致すること、そして増血に必要な鉄分や葉酸などの栄養摂取が、女性の普段の食事では全く足りていないことを知りました。
田中:私のパーソナルな話になるんですけど、ニュージーランドの広告代理店で働いていた時に、眠れない、食べられない、動けない…みたいな状態になっちゃったんです。「もしかして早めの更年期?それともうつ病?」と思って病院に行ってみたら、その場で採血され、大きな鉄剤やビタミンBやDを混合で出されたんです。血を濃くするための鉄分と、症状を緩和するためのビタミン類でした。「2週間で改善しなかったら入院だ」「継続して十分鉄分補給するために、ステーキ400g以上週2回はマスト」って言われましたね。でもその生活をしてたら、2週間で劇的に改善したんですよ。結果的に体温も上がり、今は平熱が37度なんです。
牧野:日本だと、あんまり「栄養で治す」って発想がないですよね。薬を処方されたり、漢方を飲んでみたり…。
越智:そうなんです。海外の方が、公衆衛生学や栄養学といった学問がずっと進んでいて、例えば「鉄分不足による貧血」を国がちゃんと問題視している。だから、国がメーカーに補助なり規制をかけるなどして、小麦粉やシリアルといった普段食べるものに「鉄分を添加」するように促しているんです。それくらい『貧血』というものが、体調不良を引き起こしたり、仕事のパフォーマンスが下がったり、社会として取り組むべき問題である、という認識なんですよね。
牧野:「ビタミン」が添加された食べ物は多く見かけますけど、「鉄分」が添加された食べ物って、日本だとあまり見かけないですね。
越智:そうなんです!そして、海外では国だけではなく「自分が知らないと」「自分で改善しないと」っていう個人の意識が高いんです。インターネット社会になったことで、目に入ってくる広告だけじゃなくて、「自分で興味を持って、自分で情報を取りに行って、自分の価値観で判断する」っていう流れになってきた。ようやくこの時代になって、日本でも今回の「Revol」のようなアプローチも届くようになったのかなって思います。
負担にならず、効率的。「最も小さいカプセル」にこだわる理由
牧野:今回は、ラブテリさんと一緒にご相談されながらサプリをつくられたんですよね?
越智:安心して自分たちが摂れる物をつくるには、やはり栄養学にちゃんと精通した人と一緒につくらないとダメだと思い、パートナーを探した結果、日本における公衆衛生・栄養学のエキスパートチーム・一般社団法人ラブテリさんに出会いました。ラブテリさんは、これまで日本の働く女性7,000人以上の健康データを収集、調査、解析、ソリューション開発し、カウンセリングを行いながら栄養課題の解決に取り組んできたチームです。そしてその膨大なデータから見えたのは、日本の女性には「血の力」が足りない、という事実でした。
牧野:なるほど、それで「血の力」を高めるためのサプリにしようと思ったわけですね。
越智:そうです。「鉄分」などに特化したサプリは一般的にも売られていますが、そもそも栄養学の視点だとそれだけでは足りないんです。鉄分、亜鉛、銅、葉酸、ビタミンB12、他のビタミンB群やビタミンD3など色々と補う必要があります。それ全部を必要量摂ろうとすると、複数のサプリを買うことになったり、ものすごく大きなカプセルを飲むことになったりするんです。
牧野:この前、海外のサプリをいただいたんですけど、1粒が大きすぎて男の俺でも飲めなかったです…
越智:ですよね(笑)海外で比較的小さいサイズのものでも、日本人から見たら大きすぎる。特に日本人女性は飲み込む力も弱いので、「Revol」は人間用に作られた標準カプセルの中で一番小さいサイズのものを使ってるんです。だから「鉄分」という1つの栄養素を入れるにしても、なるべく吸収率の高い「鉄分」を選んだり、つなぎ成分を極力入れずに作ることによって摂取量を少なくし、「小さいカプセルの中に必要な栄養素を全部入れる」ということを実現させました。
サプリ業界に革命を。”Revol(リボル)”に込めた想いとは
牧野:サプリが完成したら、最後に「ブランディングをどうするか?」というフェーズに入っていくと思うのですが…僕らカラスにお声がけいただいたきっかけは?
越智:きっかけは「Ladyknows」です。面白い取り組みだったので、単純に話を聞いてみたいと思いご連絡をしたのですが、牧野さんのブランドジャーナリズムの考え方や目指す世界についてお話を伺ううちに「クリエイティブの力で世の中変えていく」という姿勢が僕らと共通していると感じました。
牧野:そう言っていただけるのは嬉しいですね。
田中:「Revol(リボル)」という名前もとても良いと思います。
牧野:あの名前は、カラスの水上(プロデューサー)が考えたものなんですよね。
田中:はい、とてもいい提案だと思って決めさせていただきました。まさに今、日本の女性は栄養が足りないことをきっかけに悪いサイクルに入ってしまっている。だからそれを逆回転させたいという意味での「Revolve(リボルブ)」と、古いサプリ業界に新しいスタンダードをつくりたいという意味での「Revolution(レボリューション)」。この2つの単語から「Revol(リボル)」という名前が生まれたんです。それに「リボル」って、単純に音として可愛らしい印象を受けますし、「Revolve」や「Revolution」ってなんとなく英語で聞いたことがあってキャッチーで覚えやすいじゃないですか。それに加えて、ロゴやグラフィックも本当に素敵に仕上がりました。
牧野:実際にクラウドファンディングが始まって(12月4日現在)周りの反応はどうでしたか?
越智:嬉しいことに、年齢や性別関係なくみんな総じて「めちゃくちゃいい」とい言ってくれますね!「血力(ちりょく)」という言葉が僕らのメッセージの強さを保ちつつ、それを可愛いビジュアルによってうまく和らげてくれている。そのバランスがあったからこそ、みんなから喜ばれるものになったんだと思います。
牧野:「血力」という言葉を生み出したことで、「血力テスト」を組み込むことができましたね。
越智:人によって必要な栄養素の量って、絶対違うはずじゃないですか。だからまず最初に「血力テスト」を受けてもらい、自分に足りない量を1~3粒の中で調整して飲んでもらうことができるんです。それが本来の正しい栄養のとり方なんじゃないかと思いますね。
メッセージを届けるために。「クリエイティブの力」で心の扉を開く。
牧野:今回「Revol」のパッケージやロゴ、Makuakeのページといった様々なデザイン部分を任せていただいたと思うのですが、越智さんはこのような「デザイン」の意義や重要性についてはどのように考えられていますか?
越智:社会の中の「これっておかしいよね」と思うことを変えていくということは、つまり「新しい価値観をつくる」ということです。これは僕たちが常日頃から意識していることではありますが、正直「今までなかった概念を届ける」というのは、なかなか難しいことだということも知っています。だから、そういった「知らない」「わからない」ことを広く届けていくためには、まずは『クリエイティブの力で新しい扉を開いてあげる』ということがすごく重要だと思っています。
牧野:新しい扉を開く?
越智:そうです。まず初めに「好き」「可愛い」「面白そう」といった感情が動くことで興味を持ってもらうことができ、それによって新しいものに対して心の扉を開いてもらうんです。だからそのきっかけをつくるために、クリエイティブはとても重要なんですよ。今回も、カラスの皆さんがつくってくれたコピーやビジュアルのおかげで、僕らの強いメッセージをより多くの人に届けることができたんだと思います。
牧野:なるほど。それは嬉しいです。では最後に一言いただけますか?
越智:正直言って、まだ「Revol」というサプリが1つ完成しただけにすぎないんですよね。だからこれから先、僕たちはこれをちゃんとした「ムーブメント」にしていかなくてはならないと思っています。僕たちの目標は、「Revol」という商品を売ることではなく、「増血」による体調の改善を通じて、日本女性のチャレンジと活躍を後押ししていくことです。そのためにも次の仕掛けがすごく重要なので、今後も牧野さんと一緒に考え、行動していくことで、この「増血」という概念をどんどん日本中に広めていきたいです。
牧野:僕自身もこれからいろいろな取り組みにチャレンジできればと思います。とても楽しみです。今後もよろしくお願いします!
▶︎Revol (リボル)のクラウドファンディングのページはこちら!
株式会社エードット→Birdman広報担当。あだ名はなっちゃん。コーヒーとコーホーの人。