“FOOL IS COOL”寒いダジャレに込めた熱い想い。井上裕一がいま、ダジャレコードで伝えたいこと〜前編〜

 

ダジャレをクールに。ダジャレの文化的価値のレベルを上げるレーベル「DAJARECORDE(ダジャレコード)」は、エードット子会社である株式会社カラス所属のデザイナー 井上裕一が立ち上げたプロジェクトです。

エードットジャーナルでは今までにも、「銭湯のピアニスト」や「ダジャ絵Tシャツ」などといったダジャレコードの活動を取り上げて参りました。今回は、井上が東京メトロ東大前駅“だけ”に掲出したある広告と、品薄になっているマスクを“クール”にデザインした話について、前編後編に分けてお伝えしたいと思います。それではまずこちらの広告から。

 

 

すべてはスベってから。ダジャレに込めた、挑戦する若者たちへのエール。

 

-東京大学の合格発表の日に“バナナの皮”のポスターを張り出されていましたね。

井上:はい。東大の合格発表⽇(3⽉10⽇)にあわせ、 3⽉4⽇(⽔)〜3⽉10⽇(⽕)の1週間限定で、東京メトロ東⼤前駅に交通広告(1,030×1,456mm)を掲出しました。

 

-東⼤前駅だけ、なんですね?

井上:そうです。貼り出したのは東京⼤学本郷キャンパスの最寄駅でもある東京メトロ東⼤前駅だけで、掲出位置は2番⽅⾯通路の壁。毎年、合格発表を終えた数多くの受験⽣たちが⽬にする場所だからこそ、この場所を選びました。

 

-ちなみに、この広告のタイトルは…?

井上:「スベった受験⽣を応援するポスター」です。

-なるほど。合格発表の日に、嬉し涙を流す人にもいれば、陰で悔し涙を流す人もいますよね。その悔し涙を流した人に向けて、応援する気持ちが込められたポスターだったんですね。

 

 

すべてはスベってから。
生きていれば、スベることがある。だいじなのは、スベったあとだ。
人生の試験がそこから始まる。人は、残念な過去を、思い出にする
才能がある。スベった結果は、キミが挑戦した証だ。不合格な試験は
あっても、不合格な人生はない。もしキミが自分のことを「人間失格」
だと考えるなら、「ダサいよ寒っ」と激怒したい。スベる人は、寒い人
じゃなく、クールな人。ダジャレコードは、すべてのスベる人を応援します。
キミが人生の答案用紙を書くのは、これからだ。
FOOL IS COOL DAJARECORD

 

-この広告を作ろうと思ったきっかけは?

井上:ダジャレコードは「FOOL IS COOL」という言葉を掲げています。「スベることは挑戦することであり、クールである」と僕は考えているので、ダジャレコードからチャレンジして失敗した人へ向けて応援するメッセージを発信したい、と思いこの広告を作ることにしました。

 

-そのような思いで作られたこの広告は、一体どのようなアイデアがもとになっているのでしょうか?

井上:中島みゆきさんの「ファイト」という曲をご存知ですか?「ファイト!戦う君の唄を 戦わない奴らが笑うだろう」という歌詞の歌です。僕はあの歌が好きで、今回の広告もダジャレコードなりの「応援歌」のように、挑戦したけれど桜が咲かなかった若者たちに少しでも前に進むための勇気を与えられたら、という思いで制作を始めました。

 

-なるほど、ダジャレコードなりの「応援歌」ですか。

井上:はい、そうです。このメインビジュアルになっているバナナの⽪は、スベる⼈の象徴として登場してます。そのバナナの⽪をクールに撮影しました。コピーは、コピーライターの長谷川(エードット子会社 株式会社噂代表 長谷川哲士)に依頼し、何度も相談しながら書いてもらったものです。“熱い”応援メッセージを“寒い”ダジャレのスキルを交えながら伝えることで、温度差のある、とても素敵なメッセージになったと思います。文中に、東大出身の文豪だとわかるような言葉も隠されているので、ぜひ探してみてください。

 

-実際にこの広告を見た皆さんの反応は?

井上:東大の合格発表に合わせて東大前駅に掲出したのですが…今年はコロナウイルスの影響により、本郷キャンパス内での合否結果の掲示が中止になってしまったんです。なので残念ながら、受験生に直接ポスターを見てもらうことは叶いませんでした。

 

 

井上:その内容をSNSでつぶやいたところ、とても多くの方から反応をいただき、WEBメディアにも取り上げていただきました。「広告自体もスベってしまった」というのが、たくさんの方から共感や応援してもらえる結果につながったのだと思います。

 

-合格発表の掲示が中止されたのは残念でしたが、最終的にSNSでたくさんの方に見てらうことができたんですね。この広告を通して井上さん自身が感じたことはありますか?

井上:チャレンジすることの大切さと、失敗したことにも共感や応援をしていくれる人はいる、ということを改めて感じました。

  

-ではこの経験を生かして、今後やってみたいことは?

井上:これからもダジャレコードは、スベる人を応援するメッセージの発信や活動を続けていきたいと思っています。スベった人のチャレンジを温かい目で見守ってくれる人が、1人でも多くこの社会にいてくれることを願っています。

-ありがとうございます。それでは次に、井上さんが作られた“あのマスク”についてお聞かせください

▶︎後編につづく

 

スベった受験⽣を応援するポスター | クリエイティブディレクター、デザイナー 井上裕一(@inoue_ych)/コピーライター 長谷川哲士(@aseetsu)/フォトグラファー 山田将史(@udoooon0313

掲載記事:「すべてはスベってから。」残念だった東大受験生を励ます予定のポスターが合格発表中止でスベってしまった

 

DAJARECORD | ダジャレをクールに。ダジャレコードは、ダジャレの文化的価値のレベルを上げるレーベルです。プロダクト開発、サービスやイベントの企画や制作、アーティストや事業のプロデュースなど、寒いダジャレを使ってクールなソリューションを提案します。興味を持っていただいたアーティストの方、企業の方、個人の方、お気軽にご相談ください。dajarecord@gmail.com DAJARECORD SHOPはこちら

 

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