展示会の企画はどのように立案すればいい?流れをステップごとに解説!
展示会の企画をするためには、正しいステップを踏む必要があります。
正しい準備と手順を行うことで、展示会での成功がぐっと近づくでしょう。
1.企画の出展目的や目標を明確にする
まず、展示会に参加する目的を明確に設定します。これには、新製品の紹介、市場調査、ブランド認知度の向上、直接販売などがよくあります。
目標を具体的に設定することで、企画全体の方向性が決まり、後続の計画に一貫性を持たせることができるでしょう。
2.企画のターゲット層を明確にする
次にターゲットとする顧客層を明確にします。これは、その後の展示会のデザインやプロモーション、展示する製品の選定に大きく関わってきます。
ターゲット層のニーズと期待を理解することが、展示会の企画の方向性を定めてくれるでしょう。
3.出展先と出展物を決める
適切な展示会を選ぶことは非常に重要です。展示会は大きく「PR型」「交流型」「商談型」に分けられます。
PR型の展示会は製品やサービスの認知度向上に役立ち、広報活動に最適です。そのため、規模も大きく派手になる傾向があり、演出や最新技術を用いて差別化をするなどして顧客にインパクトを残す必要があります。
具体的には、目を引くブースデザインや製品デモを通じて来場者に直接製品を試してもらう方法があります。
さらに、イベントの様子をSNSで積極的に発信することで、会場に来られない人々にも情報を届け、話題を広げるアプローチも可能です。
一方で交流型の展示会は業界の人々とのネットワークを広げるのに適しており、情報交換や将来のビジネスチャンスを探る場になります。
これは、名刺交換や情報交換の場を多く持ち、新たなビジネスチャンスを見つけるための基盤を築きます。
業界のトピックに基づくセミナーやパネルディスカッションを通じて、専門知識の共有や議論を促進することも効果的でしょう。
最後に、商談型の展示会は直接販売や取引先の開拓に特化しており、この3つの中で最も売上に影響を与えます。
ここでは集中して商談が行えるようにすることが重要です。事前に商談のアポイントメントを設定し、有意義な時間を確保すること、そして展示会限定のディスカウントや特典を用意することで、即時購入や決断を促すことが可能になります。
このような展示会の特性を理解し、企画の目的に最も合う展示会を選ぶことで、展示会の効果を最大限に活かしてくれるでしょう。
4.出展物の内容とコンテンツを決める
展示物の内容としては、サンプル提供やプレゼンテーション、製品やサービスの体験などが考えられます。
ここで大切なのは、ターゲット層に適切にアプローチできるコンテンツを選ぶことです。
例えば、最新技術を売りにした製品であれば、その技術の仕組みを詳細に説明するビデオや実演が効果的です。
コンテンツは、来場者にとって有益かつ記憶に残る情報を提供することを目指して選定しましょう。
必要な予算を算出する
展示会の規模や期間、ブースのデザインなどに基づいて、必要な予算を計算します。
このステップでは「装飾」「材料」「運搬費」「人件費」「プロモーション費用」などすべてのコストを見積もりましょう。
スケジュールを策定する
最後に、現段階から展示会当日までの全体の流れが把握できるスケジュールを策定しましょう。日単位まで詳細である必要はありませんが、やるべきことを週や月単位レベルで把握できるようなものを用意しておきましょう。重要なマイルストーンや締め切りを設定し、スムーズな運営と時間内での完了できるスケジュールを計画しましょう。
展示会の準備目安としては以下を参考にしてください。
約6~12か月前
この期間は、展示会の基盤を作る準備期間です。まずは目標設定から始め、参加する展示会を選定しましょう。
次に、展示のコンセプトやメインメッセージを明確にし、展示デザインや出展内容の初期案を作成します。
また、この時点で重要な役割を担うスタッフの選定とタスクの割り当ても行い、必要な資料の作成やプロモーション計画の策定にも着手します。
約3~5か月前
展示会の詳細な計画を進める時期です。ブースのデザインを確定させ、必要な素材や技術の手配を行いましょう。
プロモーション物の制作にも本腰を入れ、ウェブサイトやSNSでの告知を開始します。さらに、展示会で配布する資料やプレゼントの準備を進めます。
この時期には、スタッフトレーニングも計画し、ロールプレイを含む実践的な準備を始めると良いでしょう。
約1~2か月前
展示会が迫るにつれて、準備は具体的かつ細部にわたるようになります。ブース設計の最終確認、出展物の運送手配、スタッフのスケジュール確定などが主なタスクです。
また、直接的なビジネスチャンスを見逃さないよう、商談のアポイントメントを設定することも重要です。この段階でのチェックリストを作成し、漏れがないか定期的に確認しましょう。
約1か月前から展示会前日
この時期は、すべての準備を仕上げ、最終的な調整を行う時期です。設備のテスト、展示物の最終確認、スタッフの共有を徹底し、不測の事態に備えるための対策も練ります。
展示会の3日前からは、現地での設営を開始し、すべてが計画通りに進んでいるかを確認しましょう。
展示会当日
展示会当日は、時間に余裕を持って会場に入り、最終的な設置や機材のチェックを行います。開場前には全スタッフが集まり、一日の流れの確認と最終的なモチベーションアップのためのミーティングを実施しましょう。
展示会が開始されれば、スタッフはそれぞれの役割に従って来場者の対応にあたります。ブースでのデモンストレーション、商品説明、質問への対応、商談の実施といった活動が中心となります。
このように展示会で企画を行うための準備は半年から1年くらいの余裕を持っておいたほうがいいでしょう。ただし、現時点で半年を切っていても焦る必要はありません。ステップを踏んで、しっかりと必要な準備を行っていきましょう。
展示会で集客を狙う面白い企画はこれ!
展示会では、注目を集め、来場者を引き寄せるための面白い企画が必要です。
集客に効果的な企画をいくつか紹介し、それぞれポイントを解説していきます。
VRやARを用いた体験を提供
仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を活用した体験は、展示会での集客力を大幅に向上させることができるでしょう。
このような最新技術を用いることで、来場者は普段体験できないような経験や感情を楽しむことができます。さらに、製品やサービスの特徴を肌で体験する機会にもなります。
例えば、不動産業界であれば、実際の物件を訪れることなく内装を体験できるVRツアーが効果的でしょう。
このような最新技術の活用は、特にテクノロジーに興味のある若年層や専門家にアピールが可能です。
遠くからでも注目を引く大画面の展示
大画面を使用したディスプレイは、その視覚的インパクトにより、会場のどこからでも目を引くことができます。
新製品の発表やプロモーションビデオの放映、ライブパフォーマンスのストリーミングなどに利用することで、大人数の集客が期待できます。
この方法は、幅広い年齢層に対応可能で、特に視覚に訴える情報が重要な製品やサービスに有効でしょう。
SNS映えする企画
「インスタ映え」するようなフォトジェニックな企画やデザインは、特に若年層に大きな人気を得られるでしょう。
例えば、オリジナリティ溢れるデザインのフォトスポットや、参加者が自らがアートの一部となるようなインタラクティブなインスタレーションを設置することが効果的です。
インスタレーションとは、展示空間全体を使った3次元的な表現方法のことです。
来場者がSNSに写真や動画を投稿することで、イベントのプロモーション効果も期待できます。
展示会の企画を成功させたい!アイデアを紹介!
「展示会の企画を成功させたいけれど良いアイデアが思いつかない」という方は多いでしょう。
そこで、いくつかの展示会の企画を成功させるアイデアをご紹介します。
第一印象で伝わるインパクト
展示会において来場者の注意を引くためには、第一印象が重要です。
ここでのインパクトを与えるには「大型インスタレーション」「ユニークなデザイン」「デジタルディスプレイの活用」などの方法があります。
大型インスタレーションを用いることで、エントランスや目立つ位置に、テーマに沿った大規模なアート作品や造形物を設置することで、視覚的なインパクトを与えます。
また、ユニークなデザインやデジタルディスプレイの活用は、来場者の目を引くコンテンツとして効果的です。
テーマに沿ったブースの設計
テーマに沿ったブースの設計は、来場者に伝えたいテーマを表現することができ、それに沿った体験を提供することができます。
配色では、ブランドイメージや展示会のテーマに合った色を選び、一貫性を持つことがポイントです。明るい色は活動的な印象を、深みのある色は高級感を演出します。
他にもスポットライトを使用して特定の製品を強調したり、柔らかい照明で温かみのある雰囲気を作る照明、来場者の流れを考慮したブース内の動線設計などの配置も重要になるでしょう。
SNSでの拡散
展示会のプロモーションには、SNSを効果的に活用することが重要です。
X(旧:Twitter)は、リアルタイムの高い拡散力、Instagramはビジュアルが表現しやすいなど、SNSプラットフォームごとに特徴があります。
「高品質コンテンツの制作」「ハッシュタグの利用」「インフルエンサーとの協力」などの方法を駆使しながら、自社だけではなく、自然と来場者がアクティブに拡散したくなる環境を整えることも大切です。
このような特徴や方法を上手く活用しながら、展示会のプロモーションを計画的に実行しましょう。
展示会の面白い企画の事例を紹介!
日本には展示会の面白い企画が多数存在します。面白い企画の事例を知っているだけで、自社の企画に新たな可能性を見出せるかもしれません。
そこで、今回は2つの展示会の面白い企画の事例をご紹介します。
カルピス®「Calpico® on Tap」
展示会の面白い企画の1つ目の事例は、カルピス®の「Calpico® on Tap」です。
「カルピス®」100周年施策の一環として、蛇口をひねると「カルピス®」がでてくる「カルピス®じゃぐち」を制作。
じゃぐちをひねると「カルピス®」が出るという体験を、より深く感じてもらうため、じゃぐち君というキャラクターとリアルタイムに会話を行い、じゃぐちから「カルピス®」を注ぐという提供フローをとっています。
Dentsu + Senoh「株ラン – Stock Run」
展示会の面白い企画の2つ目の事例は、Dentsu + Senohの「株ラン – Stock Run」です。
金融知識と健康意識をテーマにした体験型展示で、訪問者が走りながら日本経済の重要な歴史的瞬間を体感できます。
この展示は1970年から2018年までの日経平均株価の主要な変動を走行コースに組み込みました。
参加者はランニングマシンを使って、経済バブルやリーマンショックの時の株価の変動を実際に体感することができ、同時にその時代の文化や大事件をCG映像で体験します。
この展示は、金融市場の動きを体感しながら、健康を維持することを促すという面白いコンセプトで設計されており、ビジネス人材にとっての学びとフィットネスの双方を提供する試みとして評価されました。
展示会の企画書を通したい!作成方法を完全解説!
展示会は企画書の作成から始まります。企画書は、展示会のビジョンと具体的な計画を伝えるための重要なポイントです。
ここでは、企画書の必要性や必要な項目、そして費用対効果を効果的に示すポイントについて詳しく解説します。
企画書はなぜ必要?
企画書は、プロジェクトの目的や目標、そして実施計画を明確にするために用いられます。
こちらは内部の承認を得るためだけでなく、スポンサーや参加者を引きつけるための説得力のあるツールとしても活用されるでしょう。
また、企画書は、プロジェクトの進捗を監視し、計画に沿って進行しているかどうかを評価する基準となります。
明確な企画書があることで、すべての関係者が共通の理解と目標に向かって作業を進めることができます。
企画書に必要な項目はこれ!
企画書には「目的と目標」「ターゲット」「プログラムの概要」「予算」「計画・スケジュール」の5つの項目が最低限必要です。
目的と目標には、展示会を開催する主な理由と達成したい具体的な目標を設定します。
次にターゲットについてです。誰を対象にしているかを明確にし、そのターゲットが企画にどのような反応をするのかを予測しておきましょう。
プログラムの概要では、展示会の主要なアトラクション、開催場所、参加者が体験できる内容を現時点でわかる範囲で記します。
そして、予算ではすべての予想費用を詳細にリストアップし、必要な資金調達の方法を説明します。
最後は、計画・スケジュールです。ここでは、現時点での段階から実施、後処理までの詳細なタイムラインと責任者を指定します。
さらに、マーケティングやプロモーションの計画、リソース計画などもあれば良いです。
費用対効果をうまく見せるポイントを解説!
費用対効果は、展示会を開催するうえで最も重要な交渉要素になるでしょう。
どのくらいの予算が必要で、どの程度の効果を得られるのか分からなければ、いくら面白い展示会の企画があっても行動に移すことはできません。
費用対効果をうまく見せるポイントは「具体的に説明する」ことです。
例えば、ターゲットから予想される来場者数や売上予測などからROI(投資収益率)を計算したり、過去の事例から成功ポイントや失敗のリスクマネジメントを行います。
このように展示会の企画をより具体的に伝えることができれば、社内外問わずに面白い企画を通すことができるでしょう。
展示会の企画についてのお悩みを相談したい?Birdman社にお問合せを!
この記事を参考に、展示会の面白い企画を実現して自社の展示を成功させたいと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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当記事を執筆している株式会社Birdmanでは、イベントの展示会や企画における多数のアワード受賞歴に加え、CGやVRなど幅広い領域での体験の提供を強みにしております。
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