「エードット」と「バードマン」が見据える広告の未来。

2019年10月17日、「バードマン」が「エードット」のグループに加わりました。

バードマンは、日本を代表する世界トップクラスのクリエイティブ・プロダクションであり、今回のグループ化はエードット にとっても僕個人にとっても夢のような話です。僕がまだ博報堂にいた若き頃、バードマンの仕事にずっと憧れを抱いていました。

“NIKE UNLIMITED STADIUM” は、過去の自分と競争し、常に過去の自分を超える挑戦をするランニングステーション。その発想、コンセプトも素晴らしいけれど、この美しくエンタメ性のあるアートディレクションに圧倒されたことを今も覚えています。

後片付けが一切不要なオフィスチェア“Intelligent Parking Chair|日産自動車”」は、僕が博報堂いたときの、博報堂の超代表作のひとつです。「いったい誰が実装してるんだろう」と思ってのですが、こちらもバードマンのクラフト力のなせる技だと思います。

「日産 動く 椅子」の画像検索結果

もっと事業レベルのクリエイティブまで踏み込んだのが、“SIXPAD STATION”です。SIXPADの技術を駆使した近未来型EMSトレーニングジム。わずか15分で効率的に負荷をかけて全身の筋肉を同時に鍛えるという全く新しいジムのシステムで、すでに三店舗が展開されています。

「sixpad station」の画像検索結果

これまで受賞した広告賞は「カンヌ広告賞」を筆頭に400を超えています。バードマンのオフィスにいくと、このずらりと並んだトロフィーに圧倒されてしまいます。このような会社と今後同じグループで日々仕事ができることは、本当に光栄なことであり楽しみでなりません。

「birdman トロフィー」の画像検索結果

 

「バードマン」と「エードット」はなぜ融合したのか。

バードマンと一緒にやりたいと思った企業はエードット以外にもたくさんあったはずです。でもなぜ、「バードマンとエードット」だったのか。それは目指している未来が近かったからです。目指してる未来とは一言で言えば、「広告」という概念の拡張です。

エードットもバードマンも、もともと広告領域からスタートした会社です。エードットは、サンプリングやイベントと言った泥臭くもリアルなマーケティングをしていたり、バードマンはテクノロジー、映像、クラフト力を駆使して企業の課題を解決する会社です。

それらの技術や思想を、広告よりも上流(川上)で活用していくべきであり、それによって「よりよいものごと」を世に生み出していくことに、自分たちの力を使いたい。

シンプルに言ってしまえば、「いいもの」を作って、然るべきメッセージをしていけば「広告」は今ほど必要なくなります。

今6兆円と言われている日本の広告費が減少する可能性があります。それらの「広告コスト」を生産側に移し、かつ、費用対効果の高いコミュニケーションを生み出していくことを目指します。バードマンの築地ロイさんも、僕自身もまったく同じ思想を持っていました。

以下、実はお蔵入りして出さなかったステートメントです。理由としては、「広告」という概念から離れていく道を選んでいるので、現状の広告と比較することすらやめたほうがいい、という企業としてのスタンスをとりました。

しかし、現状の広告業界と対比することでわかりやすくなりますし、僕自身は、やっぱりまずはこの業界から変えていきたいと強く思っています。それをいちおうまとめて書いた文章なので、僕個人の決意表明だと思って読んでもらえたらうれしいです。

  

   

広告界に、新しい選択肢を。

新陳代謝、アップデート、イノベーション。
広告界で使い古されてきたこの言葉から、
もっとも遠く離れているのが、
広告界ではないか。そう思えるほどに、
この業界は今、停滞感に包まれています。

マス広告を中心とした、
「メディア産業」として市場は膨れ上がり、
「大手広告代理店」に仕事が集中しました。
その構図は今日も変わることはありません。
しかし社会は変わりつつあります。

誰もがスマホを片手にSNSと常時接続し、
「いい!」と思ったものや、支持するものを、
家族、恋人、仲間へとシェアをする。

マス広告の代替となるような
インフラが生まれたこの時代で。

いいものを作れば自発的に広がるこの社会で。
意義あるものに共感が集まるこの世界で。

広告は「メディア産業」から脱却し、
真の「クリエイティブ産業」へと脱皮します。

そんな時代だからこそ、
「エードット」と「バードマン」は、
仲間になることを決意しました。

400を超える世界の広告賞を受賞してきた
「バードマン」のクレイジーなアイデアとクラフト力。
「エードット」が実践の中で培ってきた
リアルなマーケティングとブランディング技術。

“0→1の事業創造”から
“1→100の事業成長”まで、
一気通貫する「プロデュースカンパニー」として
広告会社を「代替する組織」をつくります。

わたしたちは、多大な広告コストを削減し、
プロダクト、サービス、事業づくりをサポートし、
より拡散する仕掛けと技術を提供する。

わたしたちは、経営課題の中核に深く入り込み、
ブランド・コンサルティングの視点から
資産となるソリューションを提供する。

わたしたちは、ブランドと社会文脈を紐付けて、
広告を、よりよい社会のために使うアイデアと、
コミュニケーションを提供する。

わたしたちは、広告業界に新しい風をおこし、
強い波をたてる存在であろうと思います。

2019年10月17日。
エードットとバードマンは経営統合し、
広告界の新しい選択肢として、
広告産業をアップデートすることを約束します。

広告業界は、これからどんどん面白くなります。これからのエードットグループの動きを、どうか楽しみにしていてください。