本記事では、マーケティング戦略とは何か、なぜマーケティング戦略が重要なのかという疑問を解決していきます。これらの戦略に使用する手法や種類、成功例などを解説する記事となっており、具体的にマーケティング戦略を理解できます。
マーケティング戦略とはなにか?重要性は?
マーケティングとは「物を売る仕組みを作る」ことです。そして、マーケティングを行っていく上では、マーケティング戦略がとても重要になります。
マーケティング戦略とは、自社製品やサービスをどのような顧客に対してどのくらいの価値を提供し、どのように提供するのか方向性を定めることです。
マーケティング戦略を立てられていない場合、一つの軸がないため関係者(ステークホルダー)の方向性が定まらず、別々のことを様々な関係者が実施してしまう状態になります。このような状態では、企業やブランドとして一貫性を持つこともできませんし、大きなシナジーを発揮することができません。
一つの部署やチーム内で一人で事業を進めている場合は問題ありませんが、関係者が多い場合や担当が細かく分かれている企業では、特にマーケティング戦略は重要性を持ちます。
マーケティング戦略に使用する種類や手法5選!
マーケティング戦略に使用する種類と手法を5つご紹介いたします。
マーケティングには様々な種類があり、「BtoC(B2C)マーケティング」や「BtoB(B2B) マーケティング」があります。他にもデジタルマーケティングやWebマーケティング、コンテンツマーケティング、SNSマーケティングなどターゲットやアプローチ方法に応じたマーケティング手法が数多く存在しています。
数多くの種類があるマーケティングですが、さらにそのマーケティングに取り組むにあたって様々な手法を用います。そこで、5つの代表的なマーケティング手法をご紹介いたします。
- 自社を理解するには「SWOT分析」
- マーケット内の関係性を理解するには「3C分析」
- 顧客理解を深めるなら「4C分析」
- 製品の販売戦略を考えるなら「4P分析」
- マクロ環境を分析するなら「PEST分析」
自社を理解するには「SWOT分析」
SWOT分析とは、強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つの軸から、自社の事業状況を分析するための手法です。
自社がどのような強みを保持しているのか、今後どのような市場に変化していくのかなどを把握することで、効果的なマーケティング戦略を立てられます。
マーケット内の関係性を理解するには「3C分析」
3C分析とは、 市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの軸から、自社が置かれている環境を分析することです。
客観的に市場・顧客、競合、自社の関係性を分析することで、これからどのようなマーケティング戦略で事業展開を行うべきなのかの方向性を定められます。
顧客理解を深めるなら「4C分析」
4C分析とは、顧客の価値(Customer Value)、コスト(Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)の4つの軸から、顧客理解を深めることに適しています。
顧客が商品を購入するまでにどのような影響を受けているのか分析し、最適なアプローチを検討するために活用されます。
製品の販売戦略を考えるなら「4P分析」
4P分析とは、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販促(Promotionの4つの軸から、顧客からどのようなニーズがあるのか分析できる手法です。
「何を」「いくらで」「どこで」「どのように」製品を販売すれば顧客ニーズに答えられるのか理解でき、マーケティングミックスとも呼ばれています。
マクロ環境を分析するなら「PEST分析」
PEST分析とは、政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の4つの軸から、マクロ環境を分析することに長けています。
どの企業やビジネスもマクロ環境に左右され、マクロ環境が勢いに乗ると自社のビジネスも一気に急成長(いわゆる、Jカーブ成長)する可能性が高いです。
そのため、マクロ環境を分析することで、中長期的な視点でマーケティング戦略に活かせられます。
マーケティング戦略の成功事例
続いて、マーケティング戦略の成功事例をご紹介します。
今回ご紹介するマーケティング戦略の成功事例は「シャープ株式会社」です。
シャープ株式会社といえば、オーディオ機器や家電などの製造や販売を行っているイメージが強いでしょう。
2020年1月3日に日本国内で初めて感染者が発生した「新型コロナウイルス感染症」の感染拡大をきっかけに、マスクの製造・販売を行いました。
こちらは、マクロ環境を分析した「PEST分析」からアイデアを得られたと考えられます。
なぜなら、新型コロナウイルス感染症拡大を背景に変化した顧客や消費者ニーズや今後の時代の流れを踏まえてマーケティング戦略に取り組んでいるからです。
当時の日本では、マスクの製造が追いつかず、新型コロナウイルス感染症の予防に必要不可欠なマスクの提供ができていない状態が続いていました。
そこで、シャープ株式会社はこれまでの既存事業からノウハウを活かし、自社工場というリソースをうまく活用することで新規事業であるマスクの製造・販売を行いました。
この事業が売上に貢献したことはもちろんですが、社会的にも意義のある活用であることが認められ、認知拡大やブランディングにも大きく寄与したと考えられます。
次に紹介するのは株式会社うるるのサービスである「fondesk」のマーケティング事例です。「fondesk」は、会社・事務所の電話対応をオペレーターが代行するサービスとなっており、電話対応で仕事が進まなかったり人手が足りないような企業の手助けをする事業となっています。
そんな「fondesk」ですが、企業の経営層および大企業の総務・管理系職種における「fondesk」の認知の向上や、導入企業を増やすために大々的なマーケティング施策を行いました。
働き方も連絡手段も様変わりする時代で、職場に存在する電話ストレス「TELハラ」という言葉を新たに作り出し、「fondesk」の必要性を訴えていきました。
年齢や肩書きによって電話対応を押しつけられる状態を、新しい職場ハラスメントとして捉えて「TELハラ」と命名し、このマーケティングプロジェクトローンチのタイミングを新入社員が入社する前日の3月31日に照準を合わせて、戦略的にPR・広告を仕掛け経営層および総務・管理系職種から職場の「TELハラ」に対して気づきを作っていきました。
具体的には、朝日新聞全国版の一面広告とSNSコミュニケーションを実施し、これまで顕在化してこなかった「TELハラ」に対して大きな気づきを作り、6億円相当のメディア露出効果を得ることで「fondesk」の認知・利用意向を大きく高めることに成功しました。
本プロジェクトでは、「4C分析」からアイデアを得て、「会社宛ての電話は新人が取るべき」という古くからの慣習や「総務部門が電話に出るのは当たり前」という職場の空気感が未だ多くの企業に存在する、という職場環境の「あるある」を「調査」で裏付け、施策を実行しています。
これからのマーケティング戦略に必要なスキルと知識とは?
これからのマーケティング戦略に必要なスキルと知識とは、「時流を理解すること」と「先見性を持つこと」の2つがポイントです。
「時流を理解する」とは、今後のビジネスにおいての将来の出来事を予測するために、現在のビジネストレンドやニーズの変化を把握することです。
そして「先見性を持つ」とは「将来を見通すこと」です。時流を理解することを同義で捉えられることも多いですが、先見性を持つことは「将来を予測できる」という意味合いを強く持ちます。
時流を理解することと先見性を持つことで、現在のビジネストレンドやニーズを把握し、将来を予測することが、これからのマーケティング戦略では必要なスキルや知識であるといえます。そのため、普段から世の中のビジネストレンドやニーズに敏感になり、情報収集することを意識してみることが大切です。
しかし、時流を理解することと先見性を持つことだけでは、マーケティング戦略を成功に導けるわけではありません。データ分析や企画力などの全体設計、マネジメントやコミュニケーション、プレゼンテーションなどの対人スキルなども持ち合わせていなければなりません。
時流を理解することと先見性を持つことに合わせて、幅広いスキルと知識を持っていることで、マーケティング戦略のクオリティが向上します。
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先ほど挙げた「fondesk」の事例以外にも、謎の生きもの水族館(LOTTE Co., Ltd.)やMASK HALLOWEEN PARCO 2020(株式会社パルコ)のプロモーション、ブランディング、イベントなどの幅広いマーケティングに関する支援実績を持っています。
ブランディングやプロモーション、デザイン・クリエイティブ制作などの幅広い事業領域から、自社だけでは発見しづらいマーケティング戦略を提案することも可能です。
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