日本でおなじみの醤油さしが「個人の衛生管理」のシンボルに。企業と社会の課題を解決する “#SafeHandFish”プロジェクトが実現するまで

 

“ウィズコロナ” “アフターコロナ”という言葉が生まれ、企業ではこの事態を受けて、社会に対してどのようなアクションで応えられるか求められています。メディアでも連日のように、企業・個人問わず、様々な取り組みが紹介されています。

この状況を受けて、エードットは除菌抗菌液を販売するクリア電子株式会社と調味料容器の製造・充填を行う株式会社大石屋と協働して“#SafeHandFish”というプロジェクトを発足。“コロナ禍”の影響を受ける企業・生活者・社会の課題を解決するために取り組んでいます。

今回、この“#SafeHandFish”プロジェクトがどのようにして生まれたのか、そして各企業が自粛要請でリモート対応が避けられない中、企画から実施まで3週間というスピードでなぜ実現できたのか、その経緯をご紹介します。

 

“#SafeHandFish”プロジェクトとは?

 

新型コロナウイルス感染症の拡大で、世間では衛生用品の需要が高まり、除菌抗菌液やアルコール消毒が店頭から姿を消して必要な生活者へ届いていない現状がありました。

また、他方で、宴会やイベントの中止・自粛により、調味料用容器の在庫が大量に余っている事実もありました。この課題を結びつけて、使われずに眠っていた魚型の醤油さしに除菌抗菌液を充填してSafeHandFishが誕生。使い切りサイズの「携帯用除菌抗菌液」として、リモートワークや外出自粛で需要が高まっているフードケータリング・中食サービスに無償で提供することで、食事のシーンを通して生活者に「個人の衛生管理」を啓発する試みです。

このプロジェクトで、エードットは事業の提案からWEBをはじめとしたクリエイティブ、PRまで、企画から実施における全体の運営に関わっています。

 

きっかけは国連のグローバルな呼びかけ

 

3月末に、国際連合は新型コロナウイルス感染症への対策を促進するために、世界のクリエイティブ産業への呼びかけを公開しました。(https://www.unic.or.jp/news_press/info/36915/)

この呼びかけでは、クリエイティブを通して発信すべき6つのアクションが提示され、その1つに「個人の衛生管理(Personal Hygiene)」が挙げられています。広告業界やメディア、クリエイターの中で話題になったこのブリーフを受けて、“#SafeHandFish”プロジェクトの企画が進められることになりました。

 

企業がそれぞれの強みを持ち寄ることで課題を解決

 

もともと、エードットが商品のPRをお手伝いしていたクリア電子では、アルコール不使用で天然素材100%の除菌抗菌液を販売していました。「除菌抗菌液や消毒剤が不足している」というニュースもあり、この緊急事態に必要な場所へ商品を届けたいという思いはあるものの、まだ商品の認知が高くなく、生活者が目に触れる機会がありませんでした。そのため、なかなか生活者の手に届いていないという需要と供給のミスマッチが、課題として感じられていました。

 

屋内, キッチン, 座る, 窓 が含まれている画像

自動的に生成された説明
クリア電子が販売している「クリアンスEX」は、持ち運びサイズの除菌抗菌液として販売していた。

 

この商品を生活者に届けるためには、まず商品が存在することを知ってもらわなければならない。そのためにどうすればいいかと考えていたときに、自粛や出控えによるイベントや宴会の中止で大量に調味料容器の在庫が眠っている事実を知りました。実際に協力をいただいた大石屋から、例年より6割も需要が落ちたと聞いています。

早速、大石屋の手元にあった2,000個の醤油さしの在庫に、除菌抗菌液を充填したものを作成。除菌抗菌液は機能が可視化されず、差別化しにくい製品ですが、アルコール不使用で食品添加物として認められ、「食品容器でも届けられる」「万が一口にしても害がない」という特徴があったからこそ、SafeHandFishの企画が実現できました(※)

その後、飲食店や飲食サービスに声をかけ、SafeHandFishの導入店舗も決まりました。

 

瓶, 屋内, テーブル, 座る が含まれている画像

自動的に生成された説明

 

クリア電子は除菌抗菌液を、大石屋は小型容器を、そしてエードットはそれを発信するための企画とクリエイティブを提供することで、“#SafeHandFish”プロジェクトは発足。事業の悩みを抱えていた企業、必要な時に手元に除菌抗菌液が届く生活者、「個人の衛生管理」の意識を広めたい社会、それぞれの課題を解決する「三方よし」の企画が生まれました。

 

エードットグループ横断でチームを結成!企画から3週間で実現したプロジェクト

 

“#SafeHandFish”プロジェクトは、企画から、実際に飲食店に無償提供して生活者の元へ届くまで、たった3週間で実現しています。

“#SafeHandFish”プロジェクトの企画段階は、世の中では自宅作業・リモートワークが推奨され、エードットグループも全社的にリモートワークに移行したタイミングでした。全体のプロジェクト運営の他、コミュニケーション戦略の統括・ディレクションをエードットが担い、クリエイティブ領域はカラス、デジタル領域はBIRDMANと、それぞれ強みを持つエードットグループの3社が一体となったからこそ実現できたプロジェクトだと言えます。

 

紙の上にあるサンドイッチ

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WEBサイトはデジタル領域の制作に強みを持つBIRDMANと、エードット副社長の牧野が代表を務めるカラスが担当(ディレクター:横田佳祐 デザイナー:高木理江)

 

プロジェクトの受け皿となるWEBサイトは、イメージカラーのキャップの青と白で構成された清潔感のあるデザイン。また、世界的にも受け入れられる企画であったことから、英語対応への切替えもできるようにしています。

 

アートディレクター井上裕一を中心にカラスが制作したイラストを元にしたムービーで、プロジェクトの内容を分かりやすく伝えます。(イラスト:眞庭りえ)

 

WEBサイトやムービーの可愛いイラストはカラスのデザイナーによるものです。醤油さしが感情移入したくなるキャラクターに仕上がり、プロジェクトの内容をわかりやすく伝える役割を担っています。

プロジェクトのリリース後は、企業が連携して社会的な取り組みを実現したアイデアとして、開始直後からSNSやメディアで話題になり、PRにも成功しました。

社会の仕組みがガラッと変わるタイミングだからこそ、越境する力や社会課題を読み取る力を駆使して、アクションを起こすことが必要です。エードットは、今後も事業開発や企画提案をさせていただき、未来の価値を作るためのお手伝いができればと考えています。

 

“#SafeHandFish“プロジェクト WEB サイト URL:http://cleanseex.com/safehandfish/

“#SafeHandFish”プロジェクト概要ムービー Youtube

 

※内用液は、グレープフルーツの種子のみから抽出されたエキスに精製水を混ぜた完全な天然成分の除菌抗菌液であり、食品衛生法上、食品・食品添加物として認められているため、身体に害を及ぼすものではなく、内用液の吸入・飲用による影響はございません。また本製品は商品特性上、基本的に皮膚についても問題ございませんが、薬機法上「手指に使用する表現」や人体への使用を意図する説明ができない為、人体へは使用しないでください。万が一、意図しない利用をした場合の対処方法はWEBサイトに記載しているので、ご一読ください。https://cleanseex.com/safehandfish/

 

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