【成功・失敗事例あり】企業のリブランディングの目的・進め方・コツを知り、ブランド刷新を成功させよう!

リブランディングとは 目的や効果 行うべき最適なタイミングはいつ?

リブランディングとは、商品パッケージの変更だけではなく、ブランドイメージを一新させることを指します。

リブランディングを行うことで、企業全体のイメージや理念、価値観の変革をもたらす可能性があり、新たなビジョンが顧客やステークホルダーに伝達されれば、ブランドの認知度と評価を高めることができます。
リブランディングが求められる主な理由は、以下が挙げられます。

  • ブランドイメージの刷新
  • 時代・社会・市場の変化に対応するための製品やサービスの提供
  • 新商品やサービスの開発
  • 組織体制の変化に伴う自社の内部変化への対応
  • 競争の激しい市場での競合との差別化
  • 自社ブランドの影響力の低下や売上減少への対応

リブランディングによる効果として、新規顧客の獲得、市場での企業評価の向上、社員のモチベーション向上などが期待できるでしょう。

行うべきタイミングについては、企業固有の事情や市場環境にもよりますが、企業の成長サイクルや市場環境の変化、競合他社の動き、組織変動などを総合的に考慮することが重要です。

売上や利益の低下、ブランド認知度の低下、市場環境や競合の変化など、複数の要因が重なったときに、リブランディングを考慮するのが有益といえるかもしれません。

【リブランディング成功事例】化粧品・食品・アパレルなど業界別にご紹介

続いて、リブランディング成功事例を化粧品・食品・アパレルなどの業界別にご紹介します。

化粧品業界

まずは化粧品業界から見ていきましょう。

「資生堂」

資生堂は、創業以来のイメージを一新し、海外展開を進めるために2015年に大規模なリブランディングを実施しました。

シンプルかつ洗練された新ロゴの導入、一貫したパッケージデザイン、品質と製品効果の強調などを通じて、資生堂はブランドイメージの一新と国際的な競争力強化を図りました。

その結果、売上は着実に増加し、特に海外市場での認知度向上に成功しています。

ブランドイメージの統一性と、資生堂の長い伝統を尊重しつつもグローバルな印象を与えられたことが成功要因といえるでしょう。

「アルビオン」

アルビオンは「質な化粧品ブランド」としての地位を保っていましたが、2010年頃に若年層の顧客を増やすためにリブランディングを行いました。

その一環として、新しいブランド「IGNIS」を立ち上げ、若い世代をターゲットにした商品開発とマーケティングを強化したことで、新ブランドは若年層から高い評価を得るとともに、アルビオン全体のブランドイメージも刷新することに成功しました。

顧客ニーズの変化に迅速に対応したこと、マーケティング戦略においてターゲットとなる顧客層を明確にしたことが成功要因として挙げられます。

「ポーラ」

創業100年を越える老舗化粧品ブランドであり、高品質で高級なイメージがありましたが、2010年代初頭には若干の停滞感がありました。

特に若い世代から「母親や祖母が使っている」というイメージが強く、製品を試すきっかけが減っていたのです。

これを転換するために、ポーラはリブランディングを行い、自社ブランド「B.A」を全面的にリニューアルしました。

商品パッケージや広告、店舗デザインなど全ての要素を見直し、モダンかつエレガントなイメージに生まれ変わったことで、若い世代からも注目され、売上は大きく増加するようになりました。
また、新しいパッケージデザインと広告戦略が高く評価され、多くの化粧品アワードを受賞しました。

食品業界

続いて、食品業界をみていきましょう。

「日清食品」の「カップヌードル」

日清食品は、2011年に「カップヌードル」のブランドイメージを一新し、新たなターゲット市場を見つけるためのリブランディングに取り組みました。

新しいパッケージデザイン、新たな広告キャンペーン、そして新フレーバーの追加などを通じて、よりグローバルな商品に進化させることが狙いでした。

その結果、「カップヌードル」の売上は上昇し、新たな顧客層を獲得することに成功しました。

「森永製菓」の「チョコボール」

2013年にはチョコボールのパッケージデザインが一新され、チョコボールの象徴である「キョロちゃん」のキャラクターデザインの見直しも行われたことでより現代的で親しみやすいイメージへと変えられました。

また、パッケージにQRコードを掲載するなどして、デジタルマーケティングにも力を入れたことで、若年層を中心に新たな顧客層を獲得し、売上も好調になりました。

「明治」の「ヤンヤンつけボー」

「明治」の1980年代から続くロングセラー商品「ヤンヤンつけボー」は、2013年に大規模なリブランディングを行い、パッケージデザインとブランドイメージを刷新しました。
新パッケージはモダンで親しみやすいデザインになり、ヤンヤンつけボーは新たな世代の消費者にも受け入れられ、その地位を保ち続けています。

アパレル業界

次にアパレル業界を見ていきましょう。

「ユニクロ」

ユニクロは元々安価で量産型のカジュアルウェアを提供するブランドとして知られていましたが、2000年代初頭から「ライフウェア」という新しいコンセプトを打ち出し、商品開発やブランディングに取り組むようになりました。

これにより、単なる量産型の服装から、高品質かつスタイリッシュなデザインの商品を提供するブランドへと変貌し、世界的な知名度と売上を手に入れることに成功しました。

「バーバリー」

バーバリーは、もともとは伝統的な英国の高級アウトドアウェアブランドでしたが、2000年代初頭には少し古いブランドイメージを持たれていました。

そこで、新たなクリエイティブディレクターによるブランドイメージの一新を行ったところ、現代の高級ファッションブランドとして再定義され、若い世代からも注目を集めることに成功しました。

「GU」

GUはユニクロの系列ブランドとして、低価格帯のカジュアルウェア市場をターゲットにしていましたが、ブランドイメージが定着せず、一時は売上が伸び悩んでいました。

打開策として、2013年に「シンプルでありながらもトレンドを取り入れたアイテムを提供する」という新たなコンセプトを掲げ、商品開発とマーケティングを一新しました。

その結果として、若年層を中心に人気を集め、売上を大きく伸ばすことに成功しました。

自動車業界

最後に、自動車業界の事例を紹介します。

「トヨタ自動車のプリウス」

トヨタのプリウスは、2000年代初頭に市場に投入された当初は、その斬新なデザインとハイブリッド技術に対する消費者の理解が追いつかず、販売が伸び悩んでいました。

しかし、トヨタは環境意識の高まりに着目し、積極的な広報活動とともにプリウスのリブランディングに取り組んだ結果、プリウスは「エコカー」の代名詞となり、世界的なヒット商品になりました。

「マツダの魂動デザイン」

2010年にマツダは新しいデザイン言語「魂動」を導入し、自社のブランドイメージを大胆にリブランディングしました。

独自性が高い新しいデザインにより、マツダのブランドイメージは一新され、高級感とスポーツ性を併せ持つブランドへと生まれ変わりました。

「日産自動車のジューク」

日産のジュークは、その斬新なデザインが話題となりました。

一部からは否定的な意見もありましたが、日産はこれを逆手にとって「個性を求める人へ」のブランディングを行い、話題性を独自性へと転換しました。

このリブランディングにより、ジュークは成功を収め、多くのフォロワーを生み出すこととなりました。

失敗事例から学ぶ! 原因を理解し効果的なリブランディングにつなげよう

リブランディングの成功事例を見てきましたが、失敗事例からも多くの学びを得ることができます。

失敗事例を繰り返さないためにも、その原因をしっかりと理解し、リブランディングを効果的に行うためのヒントを見つけましょう。

化粧品業界

まずは化粧品業界を見ていきます。

「Revlon」

2000年代初頭、Revlonはブランドのイメージを一新し、より高級感を持たせる方向にシフトしようと試みました。

しかし、その新しいイメージは、既存の顧客層から見放される結果となり、大幅な売上低下に繋がっています。

「Prescriptives」

このブランドは個々の顧客に合わせたカスタムできるファンデーションで知られていましたが、
2009年に店頭販売を終了し、オンライン販売に注力するマーケティング戦略に取り組みました。

しかし、顧客が直接製品を試すことができる店頭環境で効果的であったため、オンライン販売に切り替えたマーケティング戦略は顧客に受け入れられにくい結果になりました。

「Burberryの香水」

Burberryは自社での香水の開発から一転、全製品を外部企業にライセンス生産する方針に切り替えました。

しかし、その結果、ブランドイメージが一貫しなくなり、消費者の混乱を招く結果になっていまいました。

食品業界

続いて、食品業界です。

コカ・コーラ社の「ニューコーク」

1985年、コカ・コーラ社は「ニューコーク」という新しい味を発表しました。

この変更は新たな市場を開拓し、ライバル企業であるペプシに対抗するための試みでしたが、、新しい味は消費者から受け入れられず、たった78日で旧味に戻るという事態になりました。

「フリトレーのフレンチフライ」

フリトレーは健康志向の高まりに対応し、少ない油で揚げた健康的なフレンチフライをリリースしました。

しかし、消費者はこれを「味が薄い」と感じ、結果的にこの新商品は人気を得ることができませんでした。

アパレル業界

続いて、アパレル業界の事例です。

「GAP」

GAPは2010年にロゴを突如として変更しました。
新しいロゴは、従来のブルーボックスが消え、ブラックレターにシンプルなブルーボックスが添えられているデザインとなったのですが、その変更は消費者から大きな混乱を招きます。

深く定着していた旧ロゴとのギャップが大きく、新ロゴへの違和感が大きかったことが要因となり、消費者からの反発を受けてわずか一週間で旧ロゴに戻すという事態に至りました。

「J.Crew」

J.Crewは元々、質の高いプレッピーなアメリカンカジュアルウェアを提供していましたが、2010年代に入って高級志向にシフトしました。

しかし、その方向性は従来のファンからの支持を得られず、新たなターゲット層が開拓できずに売上が低下し、ブランドイメージの混乱を招きました。

「Abercrombie & Fitch(A&F)」

A&Fは一時期、若者から絶大な人気を誇っていましたが、その性的で挑発的な広告や店舗の暗さ、強烈な香りなどが批判の対象となり、ブランドイメージが低下していました。

これに対応すべくリブランディングを試みましたが、その取り組みは消費者には伝わらない結果になりました。

自動車業界

最後に自動車業界の事例です。

「日産自動車のインフィニティブランド」

日産自動車は、北米市場で高級車ブランド「インフィニティ」を1989年に立ち上げました。

しかし、日産のブランド力がまだ弱かったことも影響し、ブランド設立初期は、高級車ブランドとしての位置付けと品質のバランスがうまく取れず、販売台数は伸び悩んでいました。

その後、インフィニティブランドの再構築を試み、品質向上やデザインの一新、サービスの向上によって徐々に立て直し、現在では日産の高級車ブランドとして認知されています。

「マツダのアンフィニブランド」

1990年代初頭、マツダは国内で高級車ブランド「アンフィニ」を立ち上げました。
しかし、日本のバブル経済が崩壊する中、高級車市場は縮小します。

また、アンフィニという新ブランドへの理解が消費者に広まらなかったことも影響し、結果的にブランドは早期に終息しました。

「ダイハツ工業のコペン」

ダイハツの軽スポーツカー「コペン」は、初代モデルの生産終了後、一度ブランドが消滅しました。

2014年になって新型コペンが発売され、軽自動車でありながら「選べるボディ」をコンセプトにした「コペンローブ」や「コペンセロ」など、顧客のライフスタイルや好みに合わせたバリエーションを提供することで注目を浴びました。

効果的なリブランディング 進め方や手順、成功のコツは?

成功事例と失敗事例から学んだことはありましたか?

ここからは、効果的なリブランディングを行う際にどのような手順で行えばよいのかについて詳しく解説していきます。

初めての方でも分かる!リブランディングの進め方

初めての方でも分かりやすいリブランディングの進め方は、以下の手順がオススメです。

手順1.問題の分析・現状の課題を把握(自社分析)

はじめに、ブランドが直面している課題や問題点を分析していきます。市場での競争力の低下、ターゲット層からの関心の喪失、売上の落ち込みなど、具体的な問題点を洗い出しましょう。

手順2.変更箇所の明確化と伝えたいメッセージの選別

問題の分析から導き出した課題に対して、どのように改善を進めていくのか、具体的な方針を定めます。

ブランドの核となる部分は一貫したメッセージを伝え続ける必要があるため、ブランドの軸を大切にしましょう。

手順3.時代や社会の変化について市場調査

外部環境の変化に対応するためにも、社会のトレンドや変化についての調査は欠かせません。
この市場調査を行うことで、自社の商品やサービスがどのように適合していくべきかを明確にします。

手順4.戦略立案と発信

これまでの分析と調査に基づき、具体的なリブランディングの戦略を立案します。

誰にどのような訴求をしていくのか、ターゲット層の絞り込みとニーズの把握を行い、パッケージやロゴの変更、プロモーションの考案など、具体的にどのようなリブランディングを行うのかを明確にしましょう。

手順5.成果の確認とブランドの浸透について調査し、改善を行う

リブランディング後は、その成果を確認し、ブランドがどれだけ浸透したかを調査します。
その結果からさらなる改善を進めていきます。

リブランディングを成功させるための秘訣

リブランディングの進め方は理解できましたか?
リブランディングを成功させるための秘訣は「市場・競合調査を正しく行う」ことです。

市場のニーズや競合他社の調査をしっかりと行わなければ、リブランディングの効果を発揮することができません。

現状のイメージだけでリブランディングに取り組むのではなく、市場・競合調査の結果をふまえたうえで進めていきましょう。

知っておくと便利 リブランディングを学べる本はこれ!

知っておくと便利なリブランディングを学べる本を2冊ご紹介します。

1冊目は「奈落の底からはい上がるブランド再生ストーリー」です。

こちらの本には、ブランディングに関する知識だけではなく、具体的な実践手順まで書かれています。
架空の生活用品メーカーである「クリンビュー」の窮地から物語が始まり、ストーリーを通してブランディングのステップを学ぶことができます。

2冊目にオススメする本は「ブランド再生工場」です。

ブランド再生のフレームワークや身近な事例を取り上げながら説明しているため、初心者でも分かりやすい内容になっています。

リブランディングで失敗したくない!まずは相談から オススメの会社は?

成功すれば新しいブランドイメージのもとで新しいターゲットの獲得、購買率や売上アップが得られるリブランディングですが、先ほど事例を挙げた通り、やり方次第では失敗してしまう可能性もあるということが分かりますよね。

そんな簡単ではないリブランディングだからこそ、実績のある会社にお願いしてみませんか?

本記事を執筆している株式会社Birdmanでは、アウル株式会社の企業ロゴリニューアルをはじめとして、ブランディング事業以外にも数多くのリブランディングも行ってきた経験があります。クライアント様の目線に立って、ブランドイメージの刷新を全力で支援させて頂きますので、ご相談お気軽にお待ちしております。

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