映画の力で、日本を元気に。CINEMETIC PRODUCTION始動!〜後編〜

〜前編はこちら〜

「アクター」として、常にイマジネーションと行動を。

 

伊達:映画祭って言ったら華やかですけど、それを開催するまでは大変だったんじゃないですか? 

別所:映画祭を始めた当初は、まだ仲間も3人しかいなくて、夜な夜なファミレスに集まって覚えたてのパソコンで企画書をつくったりしてました。そしてそれをアメリカの大使館に持っていったり、いろんな企業にプレゼンに行ったり…色々しましたね。最初は何もないところから自己資金でスタートさせた事業だったけど、映画祭で集めた映画をテレビ局が「買いたい」って言ってくれたり、だんだんと小さな商いが生まれていったんです。そのうち今度は自分たちで映画をつくってみたり、アカデミー賞の公認映画祭っていう名誉ある称号を頂いたりしながら、気つけば20年が経っていました。

 

伊達:自分で企画して営業もするって…そういう泥臭いこともできるのが別所さんのすごいところですよね。だって俳優って、世の中から注目される存在であって、特にトレンディ俳優なんて言ったらチヤホヤされるわけじゃないですか。それでもフラットな姿勢でい続けられるのって、普通はできないと思います。むしろそうやって動き回ることで、何かを失うことの可能性すらある。そこへの恐怖心はなかったんですか?

別所:アメリカから日本に帰ってきてからの数年はあったかもしれないけど、やっぱり「何かを実現するのに、自分で動かないのはもったいない」って思ったんですよね。一度、アメリカの演技の学校で「テツヤ、俳優っていうのはなんだ?」と問われたことがあって、その時「俳優というのは“actor”と書く。“act”つまり行動する人」って言われたんです。

 

伊達 かっこいい…!なんだか僕もアクターになれそうな気がしてきました(笑)

別所:伊達さんはマジでアクターだと思うよ(笑)俳優って、行動しなきゃダメなの。物理的に動くこともそうだけど、感情だって旅をするからね。人間に与えられた宝は「想像する力」だから、イマジネーションと行動は常にしなくてはならない、と思ってます。

伊達:イマジネーションと行動、ですか。それって広告を仕事にしてる僕たちにとっても、重要なキーワードですね。

 

 

エードット×ショートフィルム。「ブランデッドムービー」で次のステージへ。

 

伊達:何かを20年間続ける、って本当にすごいことですよ。

別所:そうだねえ。でもね、20年っていうとさ、人がひとり成人しちゃうわけよ。だからもう「時は満ちたな」と思って、何か新しいことを一緒にできる「誰か」に出会いたいと思ったんだよね。それで色んな人に相談していたら、「いい人がいるよ」と紹介してもらったのが伊達さんだった。

伊達:初めてお会いした時、こんな若造にも超フラットに接してくれるから驚きましたね。別所さんって中身までかっこいい人なんだ、って。

別所:僕は年齢とか全然気にしないの。だってフランクに話せないのはつまらないでしょ。

 

伊達:そう思います。別所さんとはその日のうちに「一緒に何かしましょう!」って盛り上がったと思うんですが、実際、その時抱えていた課題感ってどんなものだったんですか?

別所:1999年に映画祭をスタートさせてから21世紀に入り、僕が関わっている全てのことがどんどんデジタル化され、プレイヤーが変わっていく様子をこの20年間見てきたわけですよ。人の価値観だってどんどん変わっていく中で、ショートフィルムというコンテンツでもっと人を幸せにするためには、一体何が足りないんだろう?と考えたとき、若くて新しい考えを持った人たちに出会って、彼らと一緒にやっていく必要があるなと思ったんです。

 

伊達:そうだったんですね。

別所:それとね、今年1月にロサンゼルスで映画祭をやったんです。その映画祭もすごく盛り上がったから、気持ちとしてはめちゃくちゃハッピーだったんだけど、その一方で未来に対して「これからどうしようかな?」っていうモヤモヤした気持ちが出てきて、「誰か新しい人に出会いたい!」って強く思ったんです。そして新しい感覚をもつ若者たちと一緒に、コンテンツとしてのショートフィルムを、今までと違う形でビジネスにしていけたらないいなと思ったんですよね。

 

伊達:そんな時に出会わせていただいて…ご縁ですね。

別所:そう、ご縁だと思う。伊達さんも上場して新しいステージに立ったと思うし、僕も伊達さんと出会ったことで、新しく「ブランデッドムービー」という次のステージに進むことができるようになったからね。映画という成熟したコンテンツと、ブランドとをつなげることで新しいビジネスになるんだから、こりゃ令和も面白くなりそうだぞ!

伊達:面白くしましょう!

 

 

スペックよりもストーリー。みんながハッピーになれるビジネスとは。

 

伊達:最後に別所さんの夢について聞かせてください。

別所:1番の夢は「みんなを幸せにする」っていうことかな。さらに、うちの映画祭のスタッフはもちろん、集まってくれたクリエイターさんや、映像作家さんたちのキャリア形成にも繋がったら嬉しいよね。

伊達:それが1番大事ですよね。

 

別所:それと最近、世の中の人たちがだんだんと「物語」を大切にしはじめてきているな、って思うんです。スペックではなく、背景にあるストーリーだとか、そこに共感できるかとか、そういったものを重視して自身のライフスタイルや消費行動を決める人が多くなってきていますよね。

伊達:「物語」や「共感」っていう、情緒的なものに価値ができてきてますね。

別所:そう。それに、マスメディアが強い時代から、個々のパーソナルメディアがたくさん存在するような時代になったんだから、今の時代に必要なのは、まさにクリエイティブの力とか、変化を面白がる力とか、そういうことだと思うんだよね。だから僕たちが何か新しいことをはじめることで、しっかりムーブメントをつくっていけたら嬉しいな。…なんて考えてるんだけど、うわー、これはちょっとやばいな。今すごいワクワクしてきちゃった(笑)

 

伊達:そのワクワクを僕らが形にしないとソワソワしちゃいます(笑)

別所:まあ、1番は楽しくやることだよ。お金も人もさみしがり屋だから、ワイワイ楽しそうなところにみんな集まってくる。だから人間には祭りが必要なんです。

 

伊達:祭りっていいですよねえ。それに祭りビジネスって、まだまだアップデートできると思うんですよね。

別所:できるできる。全然リブランディングできると思うよ。

伊達:例えば「600円で焼きそば買う」とかって、まさに感情で買ってるわけで、それってすごくいいことだと思うんですよね。

別所:うんうん。でもね、本当に人間って生きてく上で「ハレの日」というか、祭りが必要なの。そういう日がないと、日常がくたっとなってしまうんだよね。映画祭もそうだし、みんながハッピーになれるビジネスをしていきたいよね。

 

伊達:わかります。僕は、みんなが夢を持って何かをやってる姿が好きなんです。だからそういう事業を一緒にやりたいです!

別所:やりましょう。だってエードットは「夢を応援する社会をつくる」会社って、書いてるじゃないですか。

伊達:そうです!なので僕たちが令和を代表する「夢を応援する会社」を目指すので、一緒に挑戦して行きましょう!