ブランディングへの投資はなぜ必要?ブランディングと売上・利益の関係性とは
企業ブランディングは、ステークホルダー(顧客・取引先・株主・社員・社会)に対して、「その企業特有のもの」という認識を定着させ、他社と差別化することです。
そして実施する際にはコンセプトを的確に表現するロゴやキャッチコピー、デザインや広告媒体を選び、情報発信をします。この際、ブランドコンセプトを伝えるデザインやコピーに統一感があることが非常に重要です。
ブランディングの種類
ブランディングには下記の2種類があります。
- 企業ブランディング
- 商品ブランディング
企業ブランディングとは、企業単位のブランディングを行うことです。例えばコカ・コーラのロゴやマクドナルドのロゴマークなどは、容易に思い出すことができるでしょう。これは企業ブランディングが成功していることを表しています。
一方、商品ブランディングとは商品やサービス単位のブランディングのことを指します。前出のコカ・コーラの商品の中でも、「アクエリアス」といえば商品単体で認識されていることでしょう。商品ブランディングとして成功している事例と言えます。
企業ブランディングは自社の強みを明確にし、ターゲットを定めてコンセプトを確立するのに対して、商品ブランディングは個々の商品ごとに同様のブランディングを行います。
ブランディングに予算を割くべき理由
ブランディングは大企業だけがやるものという先入観をもたれがちですが、実際には大企業にとっても、中小企業にとってもやるべき理由があります。ブランディングとは端的に言うと自社のファンを増やすことです。さらには商品やサービスを購入してもらい、将来的にリピートして購入してもらえるロイヤルカスタマーを創造することです。
中小企業の中には、CI(コーポレート・アイデンティティ)の構築コストが高い・マス広告が必須と考えている・ノウハウがない・人や時間のリソースが不足しているという理由でブランディングを行わないと判断している企業が少なくありません。
しかし実際には、中小企業こそブランディングを行う必要があります。対外的には顧客が他社商品と比較する際に選ばれやすくなり、有利な条件を提示できるようになります。中小企業は大企業がカバーしきれない、ニッチなニーズを満たすことができるからです。また社内にとっても有用な効果があります。採用活動において優秀な人材が集めやすくなり、社員のロイヤリティー(忠誠心)の向上につながります。社員の方向性が揃うことで生産性の向上にも繋がります。
企業ブランディングの本質とは「企業の理想像」を明確にすることです。事業を立ち上げて売り上げを創り、経営を続けることができている企業は、魅力のあるプロダクトや事業、経営者の思いがあるはずです。これらのブランドの基となる思いを社内外の誰もが「企業の柱」だと認識するところまで、育てる施策を行わなければなりません。「安くて高品質」が当たり前になり、その平均値が上がり続ける中、その膨大な商品の中からユーザーに選ばれるために必要なのが「ブランド力」です。それを高めるための戦略がブランディングなのです。
ブランディングと売上・利益の関係性
ブランディングは売上や利益とも深く関係しています。そもそもブランディングには売上向上のメリットがあるからです。ブランディングが成功することで、市場競争力が上がり消費者や顧客が購入を検討する際、優位に働きます。
また、同時にコスト削減のメリットも存在します。もちろんブランディングを行う上で資金は必要ですが、長期的に見ると販売促進・PR・広告といった費用の削減につながります。ブランディングにより市場競争力が増すことで、熾烈な価格競争から距離を置くことができるでしょう。つまり、利益率の向上に寄与することになります。
いくらあればどこまでできる?ブランディングの予算の立て方や目安
続いて、ブランディングに必要な費用や料金面を具体的に見ていきましょう。ブランディングを行う際に必要な項目にはどのようなものがあるでしょうか。
- コーポレートやサービスのメッセージ
- キャッチコピー制作
- ロゴ制作
- ホームページ制作
- パンフレットやチラシ
- 名刺
- 会社案内やサービス案内
などがあります。
ブランディング予算の内訳
ブランディングの際に一般的に必要となる項目と、その費用(目安)をみてみましょう。
項目 | 目安金額(中央値) |
コーポレートやサービスのメッセージ、キャッチコピー制作 | 300万円前後 |
ロゴ制作 | 200万円前後 |
ホームページ制作 | 1,000万円前後 |
パンフレットやチラシ | 200万円前後 |
名刺 | 100万円前後 |
会社案内・サービス案内 | 200万円前後 |
合計金額 | 2,000万円前後(場合によって数千〜1億円以上) |
上記の表はあくまでも目安の項目と金額ですので、実際には「どんな目的を達成するために」「具体的に何をする必要があるか」を慎重に打ち合わせる必要があります。
これらの表にある項目を全て行なったからといって、ブランディングが成功するとは限りません。しかし、結果として一般的に必要になるものとして、ご参考にしていただければと思います。
他にも会社オフィスの内装を改装したり商品のリブランディング、CMなどを含めたマスメディアへの広告などが組み込まれることもしばしばあります。
ブランディングの予算を最小限にして効果を出す方法は?目的の設定が大切です
なぜブランディング費用は高くなってしまうのでしょうか。表面的には成果物が目に見える結果として考えられがちですが、そこに至るまでのコンサルティング内容が重要になるからです。
ロゴ一つを取っても、かっこいいからという理由で出来上がっている訳ではありません。ステークホルダーの立場に立ち、何を伝えるべきなのか、市場の分析はどうなのかを踏まえた上でデザインに落とし込まれます。この過程を自社のみで行うには限界があります。外部へ依頼し第三者の目やプロフェッショナルの意見を取り入れることが重要です。
反対に、自社でコンセプトや軸の部分をどれだけ明確にできるかで、費用を安く抑える方法があります。ゼロから依頼するよりも、自社で決定したコンセプトを基にフリーランスなどを活用してデザインを整えるなどが考えられますが、それでもハードルは高いでしょう。その上で予算を最小限にして効果を出すには、事前に自社で目標設定を綿密に行なっておくことが重要です。
目標設定とは「何がゴールか」を定め「必ず必要なもの」「やらない事」を決めておくことです。それによって限られた予算を目的のために集中的に投下することにつながるでしょう。
ブランディングを依頼できる企業の種類は?
ブランディングを行うには、実際にどのような会社へ依頼するのがよいのでしょうか。制作会社・広告代理店・コンサルティング会社、それぞれの特徴とメリットを見てみましょう。
制作会社
名前の通り制作が事業の中心になるので、自社内に制作部署を持っているケースが多く、制作物の費用が割安な可能性があります。一方で、コンサルティング面を苦手とすることが心配されます。
依頼する際にコンセプトが既に出来上がっている場合や、制作のみを依頼する場合に相性が良いでしょう。
広告代理店
広告に関する知見が広く、様々な広告ジャンルで実績が豊富です。ノウハウを付加価値にして制作は外注している場合が多いです。
制作会社に比べると割高になる可能性がありますが、多くの経験や実績、CMなどの露出に関するアドバイスまで広範囲にわたって相談できるでしょう。
コンサルティング会社
「何からスタートしたら良いかわからない」という場合には、ゼロから相談に乗ってくれるコンサルティング会社を選ぶと良いでしょう。制作の前段階であるコンセプト作りや、なぜブランディングを行うのかといった根本的な課題の解決から、アウトプットまでを得意としています。
会社によって制作物の内製化や外注などの得意範囲が変わる場合があるので、ご依頼の際に質問してみましょう。
大企業・中小企業・個人にオススメなブランディングのコンサル会社は?
本記事を執筆しているBirdmanが手掛けたブランディングの事例をご紹介いたします。
大企業の事例「エステティックTBC」
キーメッセージである「ゴールがあるから美しい」を開発し、玉石混交のエステ業界において「”毛を抜くこと”にフォーカスした脱毛サロン」とは一線を画すコミュニケーションを展開しました。
特にCMでは美しさの「発見」をゴールに見立て、そのゴールにたどり着いた時の達成感、多幸感を描いています。ブランディング戦略では「TBCエステティシャンは、ただ毛をなくしているだけではない」ことを起点に本質的な価値、プロポジション、クリエイティブ戦略を行っています。
女性の美意識・価値観がかわりつつある今、女性が「エステティックTBC」を選ぶことは、「自分を喜ばせる美しさ」に出会え、その美しさを纏ったポジティブな自分になれることにつながるというコンセプトが言語化されています。
中小企業の事例「うるる」
株式会社うるるは、オペレーターが会社宛の電話を代わりに受けて、その内容をチャットやメールでお知らせしてくれる「fondesk(フォンデスク)」というサービスを提供しています。
企業の経営層および大企業の総務・管理系職種におけるソリューションを提供する「fondesk」の認知向上、利用意向の創造を行いました。
そしてこれまで顕在化してこなかった「TELLハラ」に対して気づきを作り、6億円に相当するメディアの露出効果を得るに至りました。その結果、fondeskの認知・利用意向を大きく高めています。
ブランディングに関する相談先はこちら
本記事ではブランディングの予算を中心に解説しました。一言でブランディングと表現しても、多くの人の関わりがあり、いくつもの工程を経ています。
ここまで読み進めていただいても、実際に相談するには「まずどうしたら良いんだろう…」と悩んでしまうことでしょう。
この記事を執筆しているBirdmanでは、スタートアップから中小企業・大企業のお客様1社1社の状況に応じたご相談を受けています。状況もさまざまで、細かくゴールを区切り年数をかけて実施するパターンもあれば、タイミングに合わせて大々的に広告まで打った方が良い場合もあります。それらを判断するには、ブランディングの背景にあるお客様の目指す姿や解決したい課題を共有させていただくことが非常に重要です。現実的には、予算感はそのあとに付いてくるものです。目的が定まれば元々の予算に合わせるようなご提案をすることも容易です。
「ブランディングについてもっと聞いてみたい」「何から始めたら良いのだろう」など、Birdmanにご相談ください。
TEL :03-6865-1323 FAX :03-6865-1325
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オンラインお問い合わせ窓口はこちら : https://birdman.tokyo/contact/biz/
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