営業のDXとは?具体例や成功のコツ・失敗事例をご紹介!

そもそも「DX」の定義や目的って何?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業がビッグデータやIoT、AIといったデジタル技術を活用して、業務フローの改善や新たなビジネスを創出することです。また旧態依然としたシステムからの脱却や、企業風土の変革を実現する意味も含まれます。

あるコンサルティング会社の調査によると、DXの取り組み状況について、回答者の59%は「経営戦略に基づき、全体的にDXに取り組んでいる」と答えています。

一方で「十分な成果が出ている」と答える回答者は10%に留まっています。「何らかの成果が出ている」と回答する企業が半数あまり存在していますが、成果が芳しくないとみる回答者も約3割存在しています。

この結果を見る限り、日本企業の多くはDXに成功していると言えるまでに至ってはいないでしょう。

営業領域におけるDXとは?データやデジタル技術の活用で営業の最適化を図ります!

営業のDXとは「データとデジタル技術を活用して、顧客のニーズをもとに自社の営業戦略を見直し、営業プロセスや営業体制を再構築すること」です。

最近よく聞くようになったセールステック(Sales Tech)もその一つです。セールステックとは、ITを活用して営業活動の生産性を高め効率化を図る手法及びルーツのことを指します。営業である「Sales」と技術である「Technology」を掛け合わせた造語であり、営業領域のイノベーションを生み出す概念です。

代表的なものとして、営業活動の見える化及び生産性向上を行うために利用されるSFA(Sales Force Automation:営業支援ツール)や、顧客との良好な関係構築を築くためのCRM(Customer Relationship Management:顧客管理システム)があげられます。

では、デジタル化とはどのような違いがあるのでしょうか。デジタル化は、ある部分的な工程の効率化のためにデジタルツールを導入するなど、局所的なデジタル化を指します。

これに対して営業DXは、一つの企業の取り組みを越えた社会全体にまで影響を及ぼすものです。これまで「経験と勘」で実施されてきた意思決定を、デジタルテクノロジーで収集した「精度の高い・速報性のある」ビッグデータで、質の高い意思決定を可能にすることとも言えます。

営業DXはなぜ必要?DX化するメリット・目的を解説!

なぜ営業のDX化が必要になったのでしょうか。理由は大きく二つあります。一つ目は新型コロナウイルスの影響です。もう一つは働き方改革が関係しています。

それらによってどのような変化が起きたかというと、まずは判断基準が変わったことです。コロナ渦において顧客の判断基準が変化しました。

これまで主に価格面や歴史から商品・サービスの価値を判断していましたが、新型コロナウイルスによりあらゆる企業が危機的状況に陥ったことで、要望への柔軟性やスピード性ある商品・サービスの信頼性が高まっています。価値が有形のものから無形へと切り替わったといえるでしょう。

次に、オンラインでの営業活動への適応があげられます。新型コロナウイルス感染症対策として、営業面でも重視されているのが「非対面」です。現在では非対面の手段としてデジタル技術が着目されていますが、それは対面での商談をオンラインに切り替えるという部分的な話ではありません。

むしろ、電話からアポイントの獲得までの前工程や、その後工程である受注後の定期接点に対して、これまで以上にデータを活用していくことが重要です。

具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。まずあげられるのは生産性の向上です。従来の営業活動には、現場の人間でも見落としてしまう無駄が多く存在しています。

超高齢化社会を迎える日本にとって、1人あたりの生産性を高めることは喫緊の課題です。DXを推進する環境の整備によって無駄なポイントを把握することで、業務効率を改善し長時間労働の予防にも役立てることができます。これは働き方改革の影響があると言えるでしょう。

また、総務省の調査報告では、クラウドサービスやテレワークというICTソリューションを利用している企業の方が、利用していない企業よりも生産性が高いことが判明しています。

営業のDXには営業体制における脱属人化のメリットも存在します。営業チームが属人化しやすい背景としては、営業個人の中にしか存在しない情報やノウハウにあります。DX化によってあらゆる情報やノウハウがデータとして蓄積されるようになれば、代理対応や引き継ぎに手間取る心配がなくなります。

また、対応履歴を追えるようになることで、顧客のこれまでの行動を理解しやすく、受注予測が立てられるようになります。データによる見える化は、営業スキルの標準化にも役立てることができるでしょう。

営業領域のDXにはどのような分野がある?具体例とともに解説!

営業のDXと一概に言っても、さまざまな分野が存在します。どのようなものがあるのか、具体的に見てみましょう。

人材開発・コーチング

営業のDXの人材開発分野では、営業活動を担当する人材の教育と育成を行うためのツールが開発されています。

セールスパーソンの教育やモチベーションの向上を図るツールやシステムが当てはまります。例えば、教育資料の動画やオンラインでのロールプレイング、そして評価が出来るツールなどです。

営業促進・加速

営業活動を効率化し生産性をあげるためのツールを用いたDXが行われています。SFAはこの分野に当てはまります。

このカテゴリーのツールは対応範囲が広く、営業活動の記録や日報のストック、商談の進捗の把握、営業成果の予測、案件管理、クレーム管理、及びこれらの情報の部門間共有など、さまざまな機能が付加されているケースが散見されます。

コンタクト・コミュニケーション

顧客との連絡やインバウンド対応の最適化を図るためのソリューション分野です。コールセンターシステムや顧客からの電話内容を分析してオペレーターにベストアンサーを表示するツールなどを用いて、顧客との直接のやり取りの質を向上させます。

BtoCだけでなく、BtoBでのビジネスミーティングなどでも活用可能です。

インテリジェンス・解析

営業活動によって得られたデータを最大限に活用するための分野です。高度なデータマイニングにより次の行動を支援したり、ビッグデータと結びつけて顧客の課題を抽出したりという高度な戦略性を持たせたツールが多く存在します。

AIを搭載しているため、専門知識がなくとも比較的簡単にデータ分析を行えるのが大きなメリットです。

顧客関係管理

顧客データベースの構築と管理、プロモーション履歴の蓄積など企業と顧客の関係性を見える化する分野です。CRMがこのカテゴリーの代表格です。

カスタマーセンターやプロモーション部門などとデータを共有し、ECと連携させるなど様々な場面で活用が可能です。

顧客体験

顧客の購買プロセスの途中で、感動体験や疑似体験という付加価値をつけ、売上の増加を図る分野です。顧客の体験価値を最大化するために、たとえばサイトに訪問したユーザーの訪問回数や流入経路に合わせて適切なポップアップを配信するWebツールやチャットなどが当てはまります。

顧客のオンラインによる体験を素晴らしいものにすることで、売上を一層伸ばしていくことを目的としているツール群です。

カスタマーサポート

インバウンドセールスの効率化を図るためのインサイドセールスシステムなどが含まれる分野です。

顧客とのやり取りを音声だけでなく文章でも保存する機能や、最適なタイミングで顧客にメルマガを送付するなど多彩な営業活動を自動化することができます。

営業DXを成功させるコツをチェック!

営業DXを成功させるコツはあるのでしょうか。ポイントは3つあります。

  • DXの全体構想から考える
  • 自社でDXを主導する
  • 全社的なDXリテラシーの向上を図る

DXが自社で完結する取り組みとして進行した場合、顧客への価値提供が実現しなかったという失敗例があります。必要なのは「DXの全体構想を考える」という工程です。しっかりと自社DXの全体像を描き切ることが大切です。

次に大きな鍵を握るのが「自社でDXを主導する」というポイントです。DXの取り組みは着実に進めることが重要ですが、いち早く市場優位性を確保するためのスピード感も大切です。

市場変化による急な変更もDXでは起こり得ますので、自社でDXの舵取りができるような体制を構築し、ベンダー・パートナー企業との関係性を構築しましょう。

最後は全社的なDXリテラシーを高めることです。「DXとは何か?」という問いに、全社員が一定水準以上の理解を持っていることが理想となります。

この取り組みは一部門で完結することはなく、他部署の理解と連携があって初めて事業単位のDXが成功します。DXの最終的な目的は「顧客への新しい価値の提供」であるため、DXのリテラシー向上を図ることが初めの第一歩となります。

では、失敗しやすいポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。組織面において「何のためにDXを行うのか」という目的を明確にすることが大切です。「行政が推奨しているから」「競合がデジタル化に取り組んでいるから」などの表面的な理由では、DXが戦略的に行われず、結果的に中途半端な状態になり、時間やコストを無駄に浪費するリスクがあります。

また、人材面でDX推進チームが存在しないことも失敗しやすいポイントの一つです。どんなに優れたデジタルツールを導入しても、営業担当者が扱えなければ意味がありません。推進チームにはデジタル人材も登用し、社内研修、セミナーを通じて営業担当者の教育を支援していく必要があるでしょう。

営業DXの活用で成功した事例をご紹介!

ここからは、DXの活用で成功した事例を見ていきましょう。

DXに早くから目を向けたある企業では、年功序列を廃止し、職務によって役割が決まる「ジョブ型制度」を導入する社内改革を進めました。営業の役割も見直し、顧客と一緒にビジネスの創出を行う部門「ビジネスプロデューサー」職を創設しました。

CRM・SFAに顧客情報を集約することで、商談や社内調整を管理するインサイドセールス部隊を立ち上げ、営業職の業務を減らすことに成功しています。

またある海外自動車メーカーは2019年に店舗を閉鎖し、オンライン販売に移行しました。車は高額な買い物ですが、オンライン販売では購入前に試乗してもらう方法が使えません。

これに対し「購入7日間以内、または走行1,600Km以内であれば全額返金」としました。同時に同社はデジタル分野に投資を行い、顧客がWeb上で車を選びやすいような表示に工夫し、動作も軽くなるように大幅な投資を実施しました。

一方で、成果を出せずに失敗してしまった事例もあります。

社運をかけたDXが失敗し、デジタル産業から撤退をせざるを得なくなった企業があります。注目していた産業IoTプラットフォームの開発で、このITツールの開発が成功すれば、社内DX化推進とIoT市場のリーダーシップが取れるという場面で、事業間の足並みが揃わず一部の事業体でしか採用されませんでした。

もう一社の例では、世界初のデジタルカメラを試作しながらも、既存の事業を破壊してしまうことを恐れ、主軸とすることはありませんでした。過去の成功体験によってDXの方向性を誤った事例です。

また2001年には写真共有サイトを買収しましたが、これをSNSとして育てることはなく、印刷用画像のストレージとしてしか活用できませんでした。もし同社がインスタグラムよりも先に画像を中心としたSNSを運用していたら、その後の倒産はなかったでしょう。

本記事では、営業のDXについて具体的な事例とともに解説をしました。実際に取り組みを進める中で重要なポイントがいくつかあったと思います。実施する際の参考にしてみてください。

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本記事では、営業のDX化の事例や成功のポイントなどを解説しました。「営業のDXが必要なのはなんとなく理解できているけど、何からしていいのか分からない」「営業のDXを推進してプロジェクトを成功させたい」など、営業のDXにお困りのお客様はぜひBirdmanにご相談ください!