医療業界でメタバースはどのように活用される?事例や課題をご紹介!

メタバースとは?インターネット上に存在する仮想空間のことです!

メタバースという言葉だけでは難しいものだとばかり思われますが、簡単に説明すると「インターネット上に存在する仮想空間」のことです。インターネット上に自分のアバターを作り、現実世界のように動かすことができます。近年、VRゴーグルやスマートフォンの画面上に表示されるARを身近に感じることが多くなりましたが、メタバースとは少し言葉の意味が異なります。

メタバースのイメージを分かりやすくお伝えするのであれば「あつまれどうぶつの森」や「Minecraft(マインクラフト)」などのゲームもメタバースのジャンルに含まれています。

メタバースは複雑で分かりづらいとばかり思われがちですが、実は身の回りにメタバースの技術が活用されていることは多いです。他にもビジネスの現場でメタバースは活用されており、自分のアバターで仮想空間に作られた施設で、ショッピングや店員とのコミュニケーションを楽しめるものなどもあります。

現在、医療業界でメタバースが注目されているのはなぜ?

メタバースと聞くと「IT企業や最先端テクノロジーを扱う会社しか関係がない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、Facebook社がMetaに社名変更したことをきっかけに、全世界でさらにメタバースの注目が高まりました。そして現在、医療業界でもメタバースが注目されています。その理由は「活用シーンが広がることで、医療技術の向上につながる」からです。

これまでも「遠隔治療」と呼ばれる、オンラインで診療を行うサービスが浸透していました。医者と患者が移動することなく診察ができることや新型コロナウイルスのような感染症を予防するための方法など、様々なメリットがあります。しかし「遠隔治療」では、実際に身体状況を確認できないため、正確な症状の鑑別や検査などができないという課題があります。

このような課題を解決できるのは「メタバース」と言われているため、医療業界でメタバースが注目されています。

医療でメタバースを活用するメリットをチェック!

医療でメタバースを活用することで次のようなメリットがあります。

  • 仮想空間でどこに入れても医師に相談ができる
  • アバターを活用して気軽に同じ悩みを持つ人達で集まれる
  • 遠隔地から手術ができるなど迅速に高度な医療を受けられる
  • 仮想空間で医師や看護師への研修ができる

メタバースではアバターを使って仮想空間で行動するため、メタバースの仮想空間を通して日本中、さらには世界各地で患者は医師に相談できます。また、これまでの病院コミュニティだけでは関わることが少なかった、同じ悩みを抱える患者同志の繋がりを持つことができます。患者にしかわからない悩みや課題を共有することで、治療中も精神的に安心します。

他にも、事故現場が発生してから病院までの搬送時間で一刻を争う状況であっても、病院から搬送中の車内で治療ができるようになることや現地以外では研修や教育が難しかった実習においても、仮想空間に入ることでどこでも高度な技術の習得に繋がります。

医療においてメタバースはどのように活用されているのか解説

続いて、医療においてメタバースはどのように活用されているのか解説していきます。

現在の医療業界では、メタバースを活用した患者から医師へのお悩み相談や座談会を開催するサービス、XRという技術を用いた医師の動作を自動解析し、新しい医療体験ができるコミュニケーション環境を作るデータサービスなどを活用しています。さらに、診察や手術などを行う病院ばかりではなく、製薬や創薬にもメタバースが活用されています。製薬では、講演会や研究会など医薬品の情報提供に活用されていたり、創薬では、研究結果を立体的に確認するなどの方法でメタバースは活用されています。

これまで講演会や研究会は、一方通行でのコミュニケーションになってしまいがちでしたが、メタバースを活用した講演会や研究会を実現できれば、より円滑な双方向のコミュニケーションを取れるようになります。

また、メタバースは新しい医療用医薬品の開発にも役立ちます。従来は限界だと言われていた分子の扱いを、メタバースを活用することでさらに詳しく分析やデザインできるようになります。

医療におけるメタバースの活用には解決しなければいけない課題も!

医療におけるメタバースの活用はメリットばかりではありません。患者の安全性や個人情報の保護の観点で課題が挙げられています。

患者の安全性に関しては、メタバースを通じて医師が遠隔地から操作することで現実世界では予想ができなかったミスを犯してしまう可能性はないのか、仮想空間でのコミュニティが活発化することでの個人情報が漏洩する可能性がないのかなどを考慮しなければなりません。

どこまで仮想空間と現実世界の技術差があるのか、社会のテクノロジーの発達に伴い、患者の個人情報が流出しないためにはどのような制度が必要なのかなど、これからもメタバースにおける課題解決を追求していかなくてなりません。

医療におけるメタバース事例をご紹介!

1つ目の事例は、順天堂大学の「順天堂バーチャルホスピタル」です。順天堂バーチャルホスピタルとは、仮想空間に病院の受付や待合室など実物の順天堂医院を再現しています。医師や患者はアバターを使って来院し、メタバース上でアバターを通したコミュニケーションの活性化を図ることができます。

その結果、患者の満足度向上や医療従事者の働き方改革に繋がり、病院内での医師や患者とのコミュニケーション不足や身体的・物理的な理由で来院や外出が難しい患者に対して、医師が診察やリハビリテーションの機会を与えることができなかった課題を解決します。

2つ目の事例は、イマクリエイト株式会社の「VRワクチン注射シミュレーター」です。こちらのVRワクチン注射シミュレーターは、研修用のサービスを提供しており、筋肉注射の研修をVRで学ぶことができます。昨今、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、ワクチン接種ができる医療従事者の人材不足が課題になりましたが、こちらのサービスを通して今後の感染症拡大を防ぐためには必要不可欠なサービスになります。

3つ目の事例は、株式会社メディカロイドの「hinotori手術支援ロボット」です。hinotori手術支援ロボットとは、MRを活用した手術を支援するロボットになります。

hinotoriには4本のロボットアームや内視鏡カメラなどが搭載されており、医師は高精細画像を見ながら、ロボットアームや内視鏡などの手術器具を操作します。離れた場所から医師が操作できるため、緊急を要する場合などの様々なシチュエーションで活躍しています。

医療においてメタバースが活用されていくことで、高度な技術を世界各地で受けることができる、現実世界と仮想空間で行動データを収集し、今後の医療技術の発達に貢献する、新型コロナウイルスで起きたパンデミック時に対応できる、医療従事者の研修に取り入れることで医療業界のレベルアップなど、医療でメタバースの活用が浸透するにつれて可能性が無限大に広がります。

今後も新しい技術やメタバースを導入する機会が増え、世の中の医療に関する課題解決に期待できるでしょう。

メタバースを開発するために必要な費用やリソースを解説した記事はこちら

メタバースを活用したプロジェクトならBirdmanにご相談ください

本記事では医療業界におけるメタバースの事例を紹介してきました。Birdmanでは、様々な業界や領域のメタバースサービスの提供やプロジェクトの推進が可能です。

メタバースに関連したプロジェクトを企画する際は、ぜひBirdmanにご相談ください。

Birdmanへお仕事のお問い合わせはこちら

TEL :03-6865-1323 FAX :03-6865-1325
Email:birdman-info@birdman.tokyo
オンラインお問い合わせ窓口はこちら : https://birdman.tokyo/contact/biz/